全身性エリテマトーデス(SLE)

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全身性エリテマトーデス(SLE)は
免疫調節系の異常により抗核抗体を産生し、
①皮膚②粘膜③関節④漿膜(胸膜、心包膜)⑤腎⑥中枢神経
⑦造血組織など多臓器の結合組織に
膠原線維の増殖性炎症性病変を生じる膠原病(自己免疫疾患)です。

多臓器症状を呈しますが、これらがいっせいに出揃うとはかぎりません。

全身性エリテマトーデスの症状

皮膚粘膜症状
顔面の蝶型紅斑
鼻根部を中心にして両側の頬に紅斑が左右対称にみられます。
角化性の鱗屑の付着する紅斑で、時に色素沈着や瘢痕状萎縮をみます。

レイノー症状
寒冷にさらされると、指先が蒼白になり、温まるともとに戻る現象です。

脱毛
大量の頭髪が急に脱落することがあります。

光線過敏症
日光や紫外線照射により蝶型紅斑、時に水泡や紫斑を生じ、
またすでに生じている紅斑が悪化する現象です。

口腔内病変
口腔粘膜のびらんや潰瘍を生じます。

関節症状
急性期に手指、肘などの小関節に多発性移動性の関節痛を生じます。
発赤、腫脹などはなく、慢性関節リウマチのように変形や強直はありません。

循環器症状
心外膜炎、心筋炎、心内膜炎のいずれもおこりえます。
腎症を伴う例では高率に高血圧を生じ、
それよる心不全もしばしば認められます。

腎症状
糸球体腎炎(時に血管炎や間質病変を伴う)が高率に生じ、
ループス腎炎と呼ばれます。

その他精神・神経症状や呼吸器症状
消化器症状、眼底の症状などが出ることもあります。

骨病変
長期間のステロイド治療により大腿骨頭、
その他の骨の無菌性壊死や骨粗鬆症を生じることがあります。
慢性期における症状の増悪は
日光、寒冷、妊娠、感染、手術、外傷などのストレス、予防注射
およびステロイド剤の不規則な服用などがきっかけとなることが多く、
これらは全身性エリテマトーデス悪化の誘発因子と呼ばれます。

血液検査
血液検査では、抗核抗体が高い傾向にあります。
白血球数減少は本症に特徴的です。
活動期には2000~3000と白血球数が減少し、
リンパ球、とくにT4細胞が減少します。

活動期に血沈の亢進、血清γ-グロブリンの増加を呈します。
CRPは感染症が合併しないかぎり強陽性とはなりません。

症例によっては10万以下の血小板減少を生じます。
一般に貧血は軽度ですが、時に溶血性貧血をおこします。

活動期SLEおよび活動性ループス腎炎では
抗DNA抗体量の上昇(SLE血清のDNA結合能の増加)、
血清免疫複合体量の増加や血清補体量の低下の著しい例が多いです。

全身性エリテマトーデスの治療

原則としてすべての全身性エリテマトーデスがステロイド治療の対象となります。

ステロイド薬、免疫抑制薬の投与が大量長期にわたることが多いので、
これらの薬の副作用に十分注意します。

全身性エリテマトーデスの原因

全身性エリテマトーデスは若年の女性に好発する膠原病で、
その根底は抗核抗体(自己抗体)の産生を始めとする自己免疫疾患です。



ここで自己免疫疾患(膠原病)について説明します。

「眼からウロコが落ちる」ほど解かりやすいとよく言われるんですよ。


まず免疫をひとことでいいますと
①自己と非自己を識別する(つまり自分と敵を見分ける)
②非自己(自分でない敵)を記憶してそれを排除する
という2点に集約されます。
こうして私たちの身体を守る働きを免疫といいます。

自己免疫疾患の発生原因は「免疫の狂い」により
①の自己と非自己を識別する(つまり自分と敵を見分ける)能力
の低下から始まります。

自分と敵とを区別できなくなると、
本来はつくられにくい「自己抗体」がつくられてしまう。

「抗体」とは非自己をやっつける攻撃分子です。
ウィルスなどの外敵を処理します。
「自己抗体」とは自己すなわち、自分自身を攻撃する分子です。

自己抗体は自分自身の細胞や組織を外敵と勘違いし、
自分自身の細胞や組織を攻撃し、こわしていきます。

免疫異常

自己と非自己を識別できなくなる

自己を攻撃する「自己抗体」を作る。


あたかも司令官が狂ったために、
本来国や国民を守るための自衛隊が国民を攻撃しているようなものです。

これを自己免疫疾患(膠原病)といいます。

日常のたび重なる食生活や生活習慣の乱れによる身体的ストレスや、
精神的ストレス、女性ホルモン、化学合成医薬品、細菌感染などにより、
自己と非自己(自分と自分以外のもの)との識別能力にくるいが生じる
ことから始まります。




全身性エリテマトーデスの漢方薬治療法

全身性エリテマトーデスの漢方薬治療法は、
次のような状態に分類して漢方薬を使い分けて対応します。

1.熱証タイプ
2.寒証タイプ
3.炎症性浮腫
4.レイノー症状
5.体力低下

同時に自己免疫疾患のキーワードと言える自己抗体に対応します。

治療目標は次の2点に集約されます。
1.免疫細胞の活性化により自己抗体をへらすこと。
2.免疫力を充実させ自己と非自己の識別能力を回復することにより
自己抗体をつくりにくくすること。


そのためにも免疫細胞と「肝臓免疫」「腸管免疫」を強化します。

免疫細胞と「肝臓免疫」を強化すれば、
身体中をぐるぐる回る「自己抗体」や「免疫複合体」を、
血液中や患部そして肝臓を通過するときにつかまえて分解排除します。

また「自己抗体」の産生を少なくするため
「腸管免疫」を強化することも有意義です。

ダニの糞及び、空気中や食物に含まれる
膨大な数の細菌やウイルスなどは腸管から侵入しますが、
腸管の免疫細胞たちは、毎日その対応に追われるため
酷使され疲労困憊して免疫異常をまねくからです。

私は免疫療法と漢方薬の併用をおすすめしています。

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