新型コロナウイルス

『新型コロナワクチン、注意が必要な10の誤情報』  2021年9月25日

新型コロナワクチンの情報については、
科学的な根拠や信頼できる情報に基づいていない不正確なものがあり、注意が必要です。
ワクチン接種のメリットが、副反応などのリスクよりも大きいため、接種をおすすめしています。

厚生労働省(2021年9月7日)による『新型コロナワクチン(mRNAワクチン)注意が必要な誤情報』を
少し読みやすくしましたのでワクチン接種が不安な方は是非ご覧ください。

誤情報 ①
遺伝子組み換え技術が使われており、ワクチン接種により遺伝子(染色体)に変化を生じさせる。
正しい情報
ワクチンで注射するmRNA(メッセンジャーRNA)は数分から数日で分解されていきます。
人の遺伝情報(DNA)に組みこまれません。

 また、人の遺伝情報(DNA)からmRNAがつくられますが、逆にmRNAからはDNAはつくられません。
 ですから、mRNAの注射で、その情報が長期に残ったり、
 精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはありません。

誤情報 ②
ワクチン接種が原因で多くの方が亡くなっている。
正しい情報
接種後の死亡事例は報告されていますが、接種が原因で多くの方が亡くなったということはありません。

 人はワクチンの接種とは関係なく突然命を落とすことがあるため、
 ワクチン接種後の死亡事例が出た時は、ワクチン接種との因果関係を調査することが大切です。

 日本で使用されているファイザー社及び武田/モデルナ社のmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンは、
 いずれも臨床試験において、ワクチン接種者とプラセボ接種者で、
 重い病気を発症した人や亡くなった人の割合に差がないことが確認されています。

 また、接種が進んでいる米国では、ワクチン接種後の病気の発生率と、
 接種を行わなかった場合の予想される病気の自然発生率を比較するなどの評価が行われています。
 これらの調査の結果、米国CDCは2021年6月時点で
 「死亡事例とmRNAワクチン接種には明らかな因果関係がない」と評価しています。
 日本においても、副反応疑い報告制度により、ワクチン接種後の死亡事例が報告されていますが、
 現時点でワクチン接種との因果関係があると判断された事例はありません。

 それでもなお、決して予断を持つことなく、個別の死亡事例をみたときに
 「新型コロナワクチンが原因ではないか」、あるいは、症例数などをみたときに
 「新型コロナワクチンの接種後に特定の病気による死亡が特に増えていないか」など、
 引き続き、国内外で慎重なモニタリングが行われています。

誤情報 ③
ワクチン接種が不妊症の原因となる。
正しい情報
ワクチンが原因で不妊になるという科学的な根拠はありません。

 ワクチン接種により流産率は上がっておらず、妊娠しにくくなるという根拠も確認されていません。
 新型コロナワクチンには、排卵や妊娠に直接作用するホルモンは含まれていません。
 また、卵巣や子宮に影響を与えることが知られている化学物質も含まれていません。
 動物実験においても、接種したラットが問題なく妊娠・出産したことが確認されており、
 生まれた仔にも異常は無かったことが報告されています)。

 米国でワクチン接種後に妊娠した827人の女性の経過を調べた研究では、
 ワクチンを接種した人の流産率が自然に発生する流産率を上回ることはなく、
 ワクチンが妊娠に与える好ましくない影響は確認されませんでした。
 また、mRNAワクチンの臨床試験では、ワクチン接種後に妊娠した人がいることも報告されており
 (ファイザー社はワクチン接種12人、プラセボ11人。モデルナ社はワクチン接種6人、プラセボ7人)
 ワクチン接種により妊娠しにくくなるという根拠は確認されていません。

 また、ファイザー社が報告した動物実験結果において、
 ワクチンの有効成分であるmRNAを封入している「脂質ナノ粒子」の成分が卵巣にも分布していますが、
 分布した量は投与部位が最も多く、卵巣に特に多く集積したわけではありません。
 投与後48時間までにおいて、卵巣で検出された「脂質ナノ粒子」の成分は総投与量の0.1%未満です。

 また、新型コロナワクチンは精巣に影響を与える成分も含まれていません。
 モデルナ社が報告した動物実験結果では、投与したmRNAが精巣にもわずかに分布していますが、
 ファイザー社のワクチンと同様、分布した量は投与部位が最も多く、
 精巣へは血漿中への分布量と比較しても低く、24~72時間以内には検出下限未満となっています。
 男性にも現時点において、ワクチン接種が不妊の原因になるという科学的根拠は報告されていません。

誤情報 ④
ワクチン接種が流産の原因となる。
正しい情報
承認されている新型コロナワクチンが妊娠、胎児、母乳、生殖器に悪影響を及ぼした報告はありません。

 妊娠中、授乳中、妊娠を計画中の方も、ワクチンを接種できます。
 妊娠中に新型コロナウイルスに感染すると、特に妊娠後期は、重症化しやすいとされています。 
 予防接種法に基づいて、接種をお勧めしています。
 産婦人科の関係学会は、妊娠中の時期を問わずmRNAワクチンの接種を推奨しています。
 また、接種後発熱した場合には、早めの解熱剤の服用を推奨しています
 (妊娠中の場合には、解熱剤としてアセトアミノフェンを服用します)。

 米国では妊娠中・授乳中・妊娠を計画中の方についての見解やエビデンスが示されています。
 米国CDCは、妊娠中の新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
 既に14万人以上の妊婦が新型コロナワクチンを接種しています(2021年8月16日時点)。
 妊娠中にmRNAワクチン接種をした約3万5千人の女性の追跡研究の報告では、
 発熱や倦怠感などの副反応の頻度は非妊娠女性と同程度でした。
 また、接種後に妊娠を完了した827人での
 流産、早産、胎児の発育不全、先天奇形、新生児死亡の発生率は、
 ワクチンを接種していない妊婦と変わりませんでした。

 妊婦は同世代の女性と比べて、新型コロナウイルスに感染した場合に重症になりやすく、
 また早産や妊娠合併症、胎児への悪影響のリスクが上がるとしています。
 また、米国における副反応調査結果から妊娠20週以前にワクチンを接種しても
 流産のリスクは上がらないとしています。
 なお、妊娠中にmRNAワクチンを受けた方の臍帯血(胎児血液と同じ)や母乳を調べた研究では、
 臍帯血にも母乳中にも新型コロナウイルスに対する抗体があることが確認されています。
 こうした抗体が、産後の新生児を感染から守る効果があることが期待されています。

 米国CDCは、授乳中の方にも、新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
 mRNAワクチンの成分そのものは乳腺の組織や母乳に出てこないと考えられています。
 授乳中にmRNAワクチンを受けた方の母乳中にコロナウイルスの抗体が確認されています。
 こうした抗体が、授乳中の子供を感染から守る効果があることが期待されています。

 米国CDCは、これから妊娠を計画されている方にも新型コロナワクチンの接種を推奨しています。
 米国で承認されているワクチンが生殖器に悪影響を及ぼす報告はなく、
 ワクチンのために妊娠のタイミングを変更する必要はないとしています。

誤情報 ⑤
ワクチン接種により不正性器出血(不正出血)や月経不順が起こる。
正しい情報
mRNAワクチンが直接的に不正性器出血(不正出血)や月経不順を起こすことはありません。

 女性の月経周期は、様々な環境ストレスや生活の変化からの影響を受けます。
 月経周期は様々な要因に影響を受けるので、副反応による発熱や体のだるさなどのストレスで
 月経周期が乱れたり、不正性器出血が起こる可能性は考えられます。
 なお、米国産婦人科学会は月経周期によって接種タイミングを変える必要はないとしています。

誤情報 ⑥
ワクチン接種で(接種した本人や周囲の人が)コロナウイルスに感染する。
正しい情報
ワクチンを接種したことが原因で新型コロナウイルスに感染することはありません。

 ファイザー社、武田/モデルナ社、及びアストラゼネカ社の新型コロナワクチンは、
 新型コロナウイルスの表面にある「スパイクタンパク質」のみの遺伝情報を用いたものであり、
 ウイルス全体の遺伝情報が含まれているわけではありません。
 このため、体の中で新型コロナウイルス全体が作られたり、感染することはありません。
 また、接種を受けることで、受けた人から感染性のあるウイルスが放出されることもありません。

誤情報 ⑦
ワクチンを接種した人が変異ウイルスに感染すると重症化(抗体依存性感染増強(ADE))しやすい。
正しい情報
現在までに、ワクチンを接種した方で抗体依存性感染増強(ADE)が生じたという報告はありません。

 抗体依存性感染増強(ADE)とは、ウイルスの感染やワクチンの接種によって体内にできた抗体が、
 ウイルスの感染をむしろ促進してしまうという現象です。

 これまで新型コロナワクチンを接種した方で、ADEのために重症化してしまったという報告は、
 臨床試験でも実用化後でも、現時点において確認されていません。
 各国規制当局の会議で、動物実験(非臨床試験)やヒトでの臨床試験の段階から、
 ADEの可能性に注意しながら開発する必要性が指摘され、新型コロナワクチンの開発製薬企業には、
 動物実験や臨床試験において、ADEを起こす可能性があるかどうかを、
 ①中和抗体の誘導や、②Th1とTh2という免疫のバランスを検証する
 (ADEの起きる時にはたらくTh2が優位でないことを確認する)、といったことが求められました。

 現在、日本で接種が進められている新型コロナワクチンにおいても、
 開発段階で様々な実験動物を使用して中和抗体の誘導やTh1とTh2のバランス等が確認されており、
 ヒトにおける疾患増強リスクについても、引き続き実用化後も情報収集していくことが
 薬事承認審査の過程で求められました。

 今後も、新たな変異型が出現した場合には、ワクチンを接種した人でADEが生じるかを
 観察する必要はありますが、現時点ではADEの懸念はないと考えられます。

誤情報 ⑧
通常の臨床試験(治験)のプロセスが省略されている。
正しい情報
ワクチンは、医薬品開発に必要な臨床試験(治験)のプロセスを経て世界中で承認されています。

 開発開始から一年足らずで実用化された新型コロナワクチンに対して、
 「臨床試験(治験)のプロセスが省略されているのでは?」という誤解がありますが、
 今回の新型コロナワクチン開発において臨床試験のプロセスが省略された事実はありません。

 一般的な医薬品開発の場合、研究室における試験管内での実験や動物実験を経て、
 人を対象とした「臨床試験」が行われます。臨床試験にもステップがあり、
 人での忍容性や安全性を確認する第I相試験、
 有効性の確認や最適な投与方法を見出すための第II相試験、
 そして第II相試験で見出された有効性を科学的に証明したり、
 どのような副作用(副反応)が起きうるのかを確認するための第III相試験が行われます。
 ここまでに得られたデータは企業によりまとめられ、各国の医薬品承認審査機関に提出されます。
 さらに、申請データや製品の品質管理などに間違いや偽りがないかの様々な調査も行われます。

 日本で承認されている新型コロナワクチンでは、上記のプロセスが省略することなく実施され、
 信頼性が確認されたデータによりワクチンの有効性や安全性が示されています。
 承認審査は行政機関のみならず、独立した第三者委員会による議論も世界各国で行われています。

誤情報 ⑨
臨床試験(治験)が終わっていないので安全性が確認されていない。
正しい情報
ファイザー社と武田/モデルナ社のmRNAワクチンは、、臨床試験(第Ⅲ相試験)で、
有効性と安全性に関して厳格な評価が行われた後に承認されています。
その上で、効果の持続性等を確認するために、臨床試験の一部が継続されています。


 米国FDAのガイダンスでは、安全性について、大規模な臨床試験を元にした緊急使用許可のために、
 接種後観察期間の中央値が2ヶ月間あることを一つの要件としました。
 これは、従来のワクチンの副反応はほとんどが2ヶ月以内に認められることが分かっているためです。
 これらの情報に加えて、日本国内でも、日本人を対象に臨床試験(第Ⅰ/Ⅱ相試験)を実施し、
 安全性や免疫原性(抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質)があること等が確認された後、
 特例承認を受けています。

 このように、既に、有効性と安全性の評価は丁寧に行われましたが、
 一部の臨床試験の終了予定時期が、将来の日付になっている場合があります。
 これは、こうした臨床試験に参加した方々に、より長期に有効性や安全性が認められるかについて、
 引き続き情報収集が行われているためです。
 臨床試験に参加した方々は、世界で最初に新型コロナワクチンを接種した方々ですので、
 情報収集を続けることで、免疫の持続期間など、大変重要な科学的知見が得られると考えられます。

 なお、臨床試験(治験)が終わっていないため、ワクチンを接種したら民間保険に加入できない、
 もしくは加入中の保険の契約が無効になる等のSNS上の情報については根拠がなく、
 そのような事実は確認されていません。
 既に承認されたワクチンですから、接種を受けることは治験に参加することではありません。

誤情報 ⑩
動物実験でワクチンを接種した全ての動物が死んでいる。
正しい情報
ワクチンの実験動物がワクチンの毒性によって異常な死を遂げたという事実はありません。

 新型コロナワクチンの毒性試験において、
 ワクチンを投与された実験動物に、有害事象による死亡例はみられませんでした。
 通常の毒性試験と同様に、実験動物の各臓器の変化を調べましたが、
 ワクチンによる明らかな毒性は認められませんでした。

 医薬品開発では、動物実験において、実験動物に毒性が認められない用量を確認した上で、
 ヒトでの臨床試験が実施されており、動物実験で十分な安全性の確認が必須条件となっています。
 なお、「ワクチン接種された実験用のネズミやネコが全て死亡した」等のSNS上の情報には、
 根拠となる事実は確認されていません。

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新型コロナウイルス対策 ~自然免疫と、抗体をつくる獲得免疫~

新型コロナウイルスに感染しても免疫の力、自然治癒力によって80%は軽症で済みます。
感染しても免疫の力によってウイルスをやっつけてくれるからです。
反対に免疫の力が低下していると、ワクチンを打っても抗体ができないこともある。
免疫を強くしておくことが最も重要です。

集団免疫とは、国民の6割が免疫を獲得すると感染は収束するという考え方です。
そして免疫を獲得するということは抗体をつくる獲得免疫のことを示しています。
ところが近年分かってきたのは、
その獲得免疫が働きだす前に自然免疫が動き出すということです。

免疫には自然免疫と獲得免疫の両方があります。
自然免疫というのは、私達が生まれつき持っているマクロファージや好中球、
そしてNK細胞などによる免疫機構です。

また皮膚のバリアや殺菌成分、抗菌物質も自然免疫になります。
つまり感染性の強いウイルスが侵入しても、私達は最初に自然免疫で対抗するのです。

一方獲得免疫はB細胞が抗体をつくったり、T細胞がキラーT細胞をつくったり、
生後獲得する能力なので獲得免疫といいます。

自然免疫がウイルスに負けると一旦は発症しますが、その過程で獲得免疫が働いて
抗体やキラーT細胞ができると、ウイルスをやっつけて治る。

新型コロナウイルスに感染した場合、
免疫はまずマクロファージ(抗原提示細胞)を活性化させ、T細胞に異物の侵入を知らせる。
抗原提示をするということです。そうするとヘルパーT細胞が活性化し、
Bリンパ球にその異物に対する抗体を作らせる。
ただし抗体ができ始めるまでは6~8日かかり、増え続け14日ほどでピークになります。

最近の新型コロナウイルスの論文では、抗体ができる前に、
すなわち自然免疫だけでウイルスに打ち勝った人がずいぶんいるのではないかといわれます。
この中には症状はでたけれど自然に治った、または症状も出ずに
ウイルスを撃退できた人もいるかもしれません。

つまり抗体ができる前の段階で、
自然免疫の働きでかなりの人がウイルス感染を撃退したと考えられるのです。

ということは、国民の6割が抗体をもたなくても、感染は収束する可能性があります。
まだまだわからないことも多いのですが、やはり免疫を良くしておくことは大切です。

一般に言われる予防法以外に重要なことは、いかに免疫力を維持するか、または高めることです。

日常生活では、こまめな手洗いやマスク、三密をさけることも大切ですが、
私はバランスの良い食事と睡眠のゴールデンタイムに寝ることもお勧めしています。

夜の10時から2時の間ですね。夜は10時を目標にして翌朝の早起きは大丈夫です。。
近年は7時間の睡眠が重要と言われますが、夜更かししないことがポイントです。
ウイルスをやっつけるNK細胞、キラーT細胞、抗体などはみんな夜増えるのです。


すべきことをした後は、暖かくして、不安はとっぱらって「ごきげんさんに」
良い日々をお過ごしください。せっかく余った時間なら有意義に使いましょう。
  
アフターコロナも考えたい
人間万事塞翁が馬としたいですね。

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免疫の暴走、サイトカインストームについて

コロナウイルスは、ウイルスとしてはそれほど強くはなく、増殖も比較的ゆっくりです。
体外ではやや長く生き残るけれど、感染力という点ではインフルエンザより少し強いが、
おたふくかぜや、はしか、その他のウイルスと比べるとずっと低いそうです。

しかし重症化するとコロナウイルスは、肺だけではなく全身の血管にも感染します。
そのため、免疫低下だけではなく、高齢者や糖尿、高血圧、心疾患などにより
すでに身体中の血管にダメージを受けている人ほど重篤化しやすい。
大切なことは危険な重症化をいかに防ぐか、ということになります。

重症化するかどうかは二つの要因があります。
一つ目はウイルスの曝露(ばくろ)量です。
ウィルスに曝露する量が少ないと発症しなくても、曝露量が多いと発症しやすくなる。

医療関係者はどうしてもウイルス曝露量が多いだけではなく、
非常にストレスの多い状況であり、さらには就労時間も長いため免疫力が落ちてしまう。
このウイルス曝露量の多さと免疫低下のダブル要因による重症化が危ぶまれます。

もともと医師や看護師は、労働基準法をはるかに違反するほどの過酷労働ですから、
重症化しないためにも、適切な就労環境の改善を国レベルで早急に取り組むべきです。

二つ目は免疫の暴走、サイトカインストームです。
サイトカインストームは免疫システムが過剰反応を起こす危険な現象です。
(国民的女優さんや多くの人に愛されたコメディアンさんの笑顔が浮かびます)

免疫は、ウイルスや細菌に感染すると免疫システムが発動して戦いを始める。
この戦いで歩兵となって働くのがサイトカインと呼ばれる分子で、
細胞にシグナルを送り出して次々と反応を促す。
そして敵を倒すとサイトカインを収め戦いを止める。これが正常な免疫システムです。

ところがサイトカインストームは敵を倒した後も炎症性サイトカインが無制限に増加するため
肺や肝臓など複数の臓器を攻撃し、果ては臓器の機能が停止し命に関わる可能性があります。

これを自動車に例えると、アクセルを踏むように免疫反応を強く前に進ませる。
そして敵を打倒するとブレーキを踏んで加速しすぎないように調整するべきなのですが、
何故かブレーキが利かないで、アクセルだけを踏み続けて暴走している状態です。
これがサイトカインストームです。免疫調整作用の低下が原因です。

サイトカインストームに陥っている患者さんの症状は、心拍数が異常に多くなり、
発熱があり、血圧が低下するといわれます。危険な状態です。

本来はサイトカインストームを起こす前の初期症状の段階から
免疫調整作用を含めた免疫を強化しておくのが望ましいのですが、
この状態になると治療するのが早ければ早いほど、患者の生き延びる可能性が高くなる。

重要なのは、早急に過剰な免疫反応を抑制することと、
それでも免疫反応がウィルスと戦えるようにすることです。この2点が重要です。

サイトカインストームは重症患者のうちの10%強、若い人でも数%といわれますが、
自分は大丈夫だなどと決して過信をしないで下さい。重症になる前の入院治療が必要です。

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    新型コロナウィルスを100分の1に減らす作戦!

               京都大学 ウィルス再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授

宮沢先生がSNSで発信したメッセージをまとめましたので参考にして下さい。
ウィルス感染は大きく分けて
飛沫感染と接触感染の2つのルートがあります。

★飛沫感染対策

  人と話す時は、マスクは必ずする‼ マスクが出来ない時は話さない。
  他人と食事する時は、黙って済ませる → 話したいなら食べ終わってマスクをしてから話す。

咳やツバを飛ばさない。ワーワー盛り上がっている場所には行かない。
お酒を飲んだら、大声で会話してしまうので注意。静かに話す。
「自分は今、感染している!と思って移らんようにするより、移さんこと。」
「お爺ちゃん、おばあちゃんの前には治るまで絶対にでない。」

★接触感染対策 ~多くはウィルスを触った指で目や口、鼻を触ることによる感染です

  みんなが黙っている場所ではあまり問題はないが、手からの感染に気をつける。
  常に“どこかにウイルスはいる”と考え、ウィルスを触った手を拭いて洗って、
  目や口、鼻、呼気から入るウイルスが100分の1になればほぼ感染しない。

1.手を一生懸命に洗うよりはこまめに洗う(15秒程の水洗いでも可)
  手洗い後のタオルについたウィルスは超微量のためほぼ感染しない。
(ノロウィルスは超微量でも感染するが、
新型コロナウィルスは超微量では感染しない

  外出時はウエットティッシュで手をぬぐう。1枚で拭いた後さらに1枚で拭けばより良い。
  ウエットティッシュが無い方は、濡れタオルでも良い。(洗濯すればウィルスは壊れる)
  マスクの外側をさわっても手を洗う。→マスクをおいたところも忘れずに拭く。

2.帰宅時は、手洗いだけではなく顔も洗う(帰宅後は、風呂に直行するのがベスト)
  ドアノブを拭くのを忘れない。さわったところは拭いておく。

3.トイレではフタを閉めてから水を流す(ウィルス拡散を防ぐ)

4.外出中は手で顔をさわらない。目を触らない、鼻を手でさわらない、
  ましてや鼻くそはほじらない。(かくれてやってもダメ)唇を触るのもだめ。
  触る時は必ず手を洗うこと。意外と難しいが、気にしていれば大丈夫。

「たった、これだけ! これだけで感染爆発は防げる。」
「いつかはかかる。かかった時に助かるように今からなるべく栄養をつける。よく寝る」
常にウィルスはいる!を意識して生活しましょう‼

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100分の1作戦はたいへん良いと思います。 
 
「ウイルスと全く接触しない」という事は無理でも、「重症化しない」を目標に
感染ウィルス量を減らし、免疫力の強化に取り組むことが重要です。

日常生活では、こまめな手洗いやマスク、三密をさけることも大切ですが、
私はバランスの良い食事と睡眠のゴールデンタイムに寝ることもお勧めしています。

夜の10時から2時の間ですね。
夜は10時を目標にして翌朝の早起きは大丈夫です。
近年は7時間の睡眠が重要と言われますが、夜更かししないことがポイントです。
ウイルスをやっつけるNK細胞、キラーT細胞、抗体などはみんな夜増えるのです。


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いかがでしょうか?

新型コロナウイルスの感染爆発を防ぐためには、もちろん
密閉・密集・密接のいわゆる「3つの密」を避ける、こまめに換気することが重要です。

一方で音楽や芸術、文化活動や社会、経済活動は充分な定員確保がないと成り立たない。
そこで社会、経済活動のためにも100分の1作戦をガッチリ実行すれば、
ソーシャルディスタンスを短くしても感染爆発は防ぐことができるかもしれませんね。

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