喘息、気管支喘息(ぜんそく)、小児喘息

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喘息は、私にとって思い入れの深い病気で幾人もの人達や、
小児ぜんそくの子供さん達の顔が浮かびます。
35年ほど昔の話ですが、私が漢方薬専門の相談薬局を開局して、
一番最初の慢性病治療相談が小児喘息の子供さんでした。

子供さんのお母さんは漢方薬を1ヶ月分下さいと言われたのですが、
当然相応の確信も経験も少ないものですから、
10日分だけお出しすることにしました。
10日後に結果を聞くまでのハラハラどきどき感は、今でも忘れられません。

まぐれあたりだったのでしょう。
数年来、毎日あった喘息の症状が2日目にはピタッと止まりました。
その後2年間体質改善の漢方薬も服用していただき、喘息は完治としました。

内服としては、西洋医学のようなワンパターンではないので、
ある程度の研究が必要になります。

   『他の有名な漢方や中医学で全く効果がなかったのに、
   こちらの煎じ薬ですぐに効きました。漢方もいろいろあるんですね』
   『大人の喘息は治らない。と言われていたのに煎じ薬でスムーズに良くなって嬉しい』
   こんな声が1年に10人以上はいらっしゃいます。

   漢方薬は合う合わないなどの相性の問題ではなくて、
   喘息の様々な病態をどう認識して、その病態をどの処方でどう改善していくか、
   ということの方が大切なのです。

   病態の認識は西洋医学、病態の改善は漢方薬が優れています。


多くの喘息の人が、大丈夫になっているんですよ。

全く喘息の発作が出なくなってから、
「どのくらい服用を続ければ完治するか」という質問は多いです。
風邪をひいても喘息発作が出ない状態が1年間続けばほぼ大丈夫と言っています。

最初は病院の薬との併用をしていただいて、
良くなっているのを確認してから病院の薬を減らしていけばよいです。

まずは気管支喘息、小児喘息などの原因、症状、治療、食事療法、
そして漢方治療について述べます。


○気管支喘息の症状
急に息苦しくなり「ヒューヒュー、ゼーゼー」といった喘鳴がでる発作をおこします。
また慢性的なセキ、痰だけの人もいます。
夜間から朝方の時間帯に悪くなる人が多いのも特徴です。
喘息の症状は、1)頑固なセキ、2)喘鳴(ぜんめい)、および、3)呼吸困難などです。

○気管支喘息の重症度判定
今まで効いていた気管支拡張剤を5-10分間隔で2-3回吸入しても効かなくなった時には、
すぐ病院へ行くほうが安全です。
効かないエロゾル吸入を連続して続けるのは突然死の原因ともなりますし、危険です。
喘息死の一部は、交感神経刺激剤やテオフィリン製剤の過剰投与が原因です。

○気管支喘息の理学所見による重症度判定
(1)脈拍120~130/分以上
(2)呼吸数 25/分 以上
(3)起座呼吸(横になっていられず、起きあがって息をすること)
(4)チアノーゼ(爪床、口唇が青紫色になること)
(5)意識混濁
(4)、(5)の場合、喘息死の危険があり直ちに人工呼吸を含む緊急処置の必要です。
(1)~(3)があった場合は重積発作と診断し、ステロイド投与を開始します。


○「喘息発作時」の家庭での手当て
まず、発作がどの程度のものか判定します。息苦しそうな様子はあっても、
会話が出来て、布団に横になっていられる様なら軽い発作(小発作)と考えてよいでしょう。

腹式呼吸をするように、呼吸は深く、ゆっくりするようにさせて下さい。
温かい飲み物を少し多めに飲ませます。咳き込んで、もどしても心配は要りません。
吐く時に自律神経系が刺激される結果、気管支が拡張して喘息発作の症状が軽くなることがあります。

部屋のホコリやダニが原因の場合、部屋の空気の入れ替えで楽になることも有ります。
発作が始まると子どもも親も不安になりますが不安感は発作をさらに悪化させますから、
両親がゆったり構えることも大切です。

小児気管支喘息(ぜんそく)の原因

気管支喘息、外因と内因
  
外因は変化の条件であり、内因は変化の根拠です。
   外因は内因を通して作用を起こす。

1)気管支平滑筋がケイレン収縮して、気管支の内腔が細くなり、
空気が通りにくくなり、肺の酸素不足で呼吸困難を起こす。
   ⇒ ヒィーヒィー、ヒューヒュー
2)気管支粘膜の浮腫や粘い痰の分泌によって、気管支の内腔が狭くなり、
息をするたびに苦しく、呼吸困難を起こし、音をたてる。
   ⇒ ゼイゼイ、ゴロゴロ
3) 長い経過をたどった喘息の場合、結合組織の増殖や線維化によって、
気管支が分厚くなり、弾力性が低下し呼吸が苦しくなる。
(気管支の内腔も狭くなります。)

漢方薬の体質改善
さて体質改善とは便利な言葉で、よく使われますが、
問題は体質とはどのようなもので、どうなれば改善か、、、ということでしょう。

漢方では水はけの悪い体質を水毒体質といいます。
体内の余分な水が気管支の粘膜や肺にたまり
気管支の内腔がせまくなると喘息発作につながると考えます。
そこのところを改善し、体内の余分な水の偏在を正し病態を改善します。

その他、体質虚弱で胃腸の弱すぎる場合など
細やかに配慮された漢方処方が用意されています。

風邪になりやすく、そのたびに喘息発作が出る場合は、
風邪になりにくい体質に改善します。

ただし発作のあるときは気管支の病変をすばやく改善する速効性の漢方薬が必要です。
気管支のケイレンや収縮、痰、炎症、水、または寒の病態を改善します。

気管支喘息の食事療法
果物はビタミンが豊富というイメージが強いようですが、
強い陰性食なのでよくありません。
あまり厳格な食養生はしたくないし、できないという人も多いです。
そんな人でも「甘いもの、身体を冷やすもの、甘い果物」だけは少なめにしてください。

気管支喘息、小児喘息の漢方薬治療
症状のある時期の漢方薬
◇麻杏甘石湯
◇小青竜湯
◇半夏厚朴湯
◇麦門冬湯
◇苓甘姜味辛夏仁湯
◇桔梗石膏
◇越婢加朮湯

一般に「漢方の効果はゆっくりで時間がかかる」といわれますが、
私には何故そう言われるのか、よくわかりません。
個人差はありますが、その効果は早く体感できます。
効果がゆっくりの場合でも2か月もかかるということはまずありません。
ほとんどは1ヶ月までには効果を感じていただいています。
効果は早いのですが、完全治癒までには時間が必要なのはいうまでもありません。

体質改善の漢方薬
◇柴朴湯
◇六君子湯
◇柴胡桂枝湯
◇桂枝加芍薬湯
◇桂枝茯苓丸
◇桃核承気湯
◇補中益気湯

最初は病院の薬との併用をしていただいて、
良くなっているのを確認してから病院の薬を減らしていけばよいです。

漢方薬は、エキス顆粒もありますが、
症状の重い場合はせんじ薬をおすすめすることが多いです。
今、喘息でお困りの方には 心から漢方薬をおすすめします。

詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。

気管支喘息の予防法

気管支喘息の原因物質を除くことが大切です。
クッション、ぬいぐるみ以外にも絨毯やカーペットはダニやほこりの原因となります。
できればフローリングがよいでしょう。
とくに畳の上にじゅうたんを敷くのは禁物です。

布団の室内塵やダニのフンを掃除機で丁寧に吸い取るのはおすすめです。

室内塵を防ぐことを考えると、和室に布団よりもベッドの方が良いです。
掃除機は吸引したホコリを室内に撒き散らかさないように目の詰んだフィルターを取り付けるか、
掃除機の排気口を室外に向けて使用します。

寝る直前に布団を敷くと、布団のホコリが部屋中にばらまかれて、
寝た後に咳が出たり、喘息発作が起こることになります。
布団は早めに敷いて、窓を開けて部屋の空気を入れ替えましょう。

夜更かしをしないで『ごきげんさんに過ごす』ことが大切です。
冷たいもの甘い物、甘い果物等も症状を強くする要因となることがあります。


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