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潰瘍性大腸炎・クローン病について述べます。
潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎は結腸・直腸粘膜や粘膜下層に慢性非特異性炎症があり、
粘膜面は発赤し、出血しやすく、びらん、さらに潰瘍が認められます。
潰瘍性大腸炎の主な症状は下痢、血便ですが軽症では下痢は回数も少なく、
少量の血便をみるだけで全身症状はないか、あっても軽い。
潰瘍性大腸炎の重症では下痢の回数は非常に多く、水様で血便の程度も強く、
発熱、頻脈、食欲不振、体重減少などの全身症状をみます。
下痢の回数が多い時は夜間就寝してからも排便のため目が覚めます。
腹痛は比較的軽く、排便の前は強く、排便後軽快します。
急性電撃型では大量の出血、著明な下痢など激烈な症状で発病し、
中毒性巨大結腸、穿孔、敗血症などの合併症を伴います。腹痛は強い。
潰瘍性大腸炎の検査
血液検査は潰瘍性大腸炎の軽症ではほとんど変化がなく、
中等症以上の活動期には白血球増多、赤沈値の亢進や貧血をみます。
また活動期には血清総蛋白量、A/G比は低下します。
潰瘍性大腸炎の治療
内科的治療はサラゾピリン、副腎皮質ステロイド、ACTHを主体とする。
安静を心がけ、精神面のゆとりをもつ。線維の多い食事や牛乳を避ける。
潰瘍性大腸炎の外科手術
癌化、大出血、穿孔、中毒性巨大結腸など内科治療に反応しないもの、
短期間に再発再燃を繰り返し社会生活に支障をきたす場合に適応。
術式としては全大腸切除、回腸瘻造設など。
クローン病
クローン病は口腔から肛門まで、消化管のいずれの部位にも発生します。
クローン病は小腸および大腸の病変が問題になり、
大腸のものでは潰瘍性大腸炎との鑑別が問題になります。
潰瘍性大腸炎 | クローン病 | ||
症状 | 腹 痛 腹部腫瘤 出 血 |
少ない なし 通常あり |
多い 多い まれ |
腸管外病変 | 関節炎 結節性紅斑 虹彩炎 |
あり より多い より多い |
より多い あり あり |
合併症 | 穿 孔 中毒性巨大結腸 癌 内 瘻 狭 窄 肛門周囲病変 |
あり あり 8% なし まれ まれ、軽度 |
まれ あり まれ あり しばしばあり 40%、強度 |
病変の分布 | 直腸病変 とびこし病変 |
ほぼ全例にみる なし |
ない例が多い 多い |
病理 | 病変の深さ 漿膜炎 癒 着 腸壁の肥厚 敷石状の粘膜 結腸の短縮 縦走潰瘍 偽ポリープ |
粘膜、粘膜下層 なし まれ なし なし あり なし しばしばみる、小 |
腸壁全層 常にあり 通常にあり 常にあり あり なし 特徴的 まれ、大 |
病理組織像 | 特 徴 陰窩腫瘍 線維化 |
急性、慢性炎症 あり 軽度 |
75%に非乾酪性肉芽腫 まれ 高度 |
潰瘍性大腸炎、クローン病ともに自己免疫疾患の1つです。
ここで自己免疫疾患(膠原病)について説明します。
「眼からウロコが落ちる」ほど解かりやすいとよく言われるんですよ。
まず免疫をひとことでいいますと
①自己と非自己を識別する(つまり自分と敵を見分ける)
②非自己(自分でない敵)を記憶してそれを排除する、という2点に集約されます。
こうして私たちの身体を守る働きを免疫といいます。
自己免疫疾患の発生原因は「免疫の狂い」により
①の自己と非自己を識別する(つまり自分と敵を見分ける)能力
の低下から始まります。
自分と敵とを区別できなくなると、自分を敵と勘ちがいをしてしまって、
本来はつくられにくい「自己抗体」がつくられてしまう。
「抗体」とは非自己をやっつける攻撃分子です。ウィルスなどの外敵を処理します。
「自己抗体」とは自己すなわち、自分自身を攻撃する分子です。
自己抗体は自分自身の細胞や組織を外敵と勘違いし、
自分自身の細胞や組織を攻撃し、こわしていきます。
免疫異常
↓
自己と非自己を識別できなくなる
↓
自己を攻撃する「自己抗体」を作る。
あたかも司令官が狂ったために、
本来国や国民を守るための自衛隊が国民を攻撃しているようなものです。
これを自己免疫疾患(膠原病)といいます。
日常のたび重なる食生活や生活習慣の乱れによる身体的ストレスや、
精神的ストレス、女性ホルモン、化学合成医薬品、細菌感染などにより、
自己と非自己(自分と自分以外のもの)との識別能力にくるいが生じる
ことから始まります。
潰瘍性大腸炎・クローン病の漢方薬治療法は、まず体質を知り、そして
次のような状態に分類して漢方薬を使い分けて対応します。
1. 下痢がひどいもの
2. 出血がひどいもの
3. 腹痛がひどいもの
総て合わせても一ヶ月分は19500円です。
漢方薬は煎じ薬をおすすめしています。煎じ薬の作り方は簡単です。
ラーメンをつくるホーローの手鍋などにコップ3杯の水を入れ
ティーパック(煎じ薬1日分)を入れ沸騰後すぐに中火にして10分で出来上がりです。簡単ですよ。
1日分を2回か3回に分けて飲みます。病院のおクスリとの併用は大丈夫です。
漢方薬の併用として腸管免疫に良いものをおすすめしています。
出血のある場合には田七人参(田三七)エキスの併用をおすすめしています。
効果判定としては1~2ヶ月で分かるかと思います。
詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。