私自身が尋常性乾癬でした
この皮膚病はホントに大変だったのですが、
恩師、山本巌先生に教えていただいた漢方処方の3年間の治療によって
私の尋常性乾癬は、ほぼ完治して20年になります。
おかげで身をもって乾癬について
その原因、西洋医学治療や病態生理そして漢方薬治療を研究、実践できました。
現時点では約70人ほどの乾癬の人のお世話をさせて頂いています。
約8割の人は乾癬になってから、皮膚科では「治らない」と言われながら10年や15年以上も
ステロイドやビタミンD3を出され続けていた人達です。
重症の人は免疫抑制剤を併用している人もいます。
尋常性乾癬の皮膚症状
・尋常性乾癬は、境界の鮮明な大小様々な紅斑を多数作ります。
・紅斑の上に「銀白色」の鱗屑(りんせつ)ができます。
・尋常性乾癬の大きさ、数、形は様々で、
発疹が癒合して大きな病変を作ることもあります。
・乾癬の発赤は乾燥し、水疱は持っていません。
・乾癬の発疹は、髪際部、肘、膝、腰などのこすれる場所を主にどこにでも出ます。
・乾癬のかゆみは約50%の患者さんにみられます
皮膚病の乾癬は人にうつる心配はなく、通常、内臓を侵すことはありません。
乾癬の病態はハッキリわかっていますが、原因は、
自己免疫疾患などが挙げられますが、まだハッキリとはわからない、とされています。
(私は、糖質を始めとする炭水化物のとり過ぎと夜更かしが大きな原因の一つだと確信しています)
日本では、50年前にはほとんどいなかった尋常性乾癬の人が
近年、急激に増加した原因は、食生活の欧米化に関係すると考えられます。
欧米では、昔から乾癬の人は圧倒的に多く、
皮膚病の入院患者の30%ほどを乾癬の人が占めるほどです。
すなわち、パン食、パスタ、ホットドッグ、ピザ、ファーストフードを主とする油物、お菓子、
自動販売機の砂糖たっぷりの飲み物、甘い果物などです。
尋常性乾癬は、これらの摂取過剰による栄養の処理しきれない代謝産物を
皮膚から排出している皮膚病と私は思います。皮膚も排泄器官の一つなのですから。
たとえば、都会で処理しきれなくなってしまったたゴミを、
無断で近隣の県に捨ててしまっているようなものです。
乾癬の治療には漢方治療や局所治療だけでなく、夜更かしをしないことと、
糖質を始めとする炭水化物のとり過ぎと、果物の摂取を制限することが大切です。
乾癬は
紅斑の上に表皮細胞の増殖、角化異常などが特徴として見られる皮膚疾患です。
通常、約4週間の皮膚のターンオーバータイムが、
乾癬では4~7日に短縮し、角層が大量に出来て白い粉がふきます。
尋常性乾癬では、表皮で過剰に合成して落屑として捨てる、
そのためターンオーバーを亢進させているのかもしれません。
乾癬の種類
乾癬は、発疹の広がり方によって様々な種類に分けています。
・乾癬性紅皮症 発赤や紅斑が全身に広がっていくもの。続発性紅皮症ともいわれます。
・関節症性乾癬 手足の関節が腫脹するなどの関節障害を伴うもの。
・膿庖性乾癬 無菌性の膿疱を併発し高熱とともに全身症状の伴うもの。
・滴状乾癬
・爪乾癬
尋常性乾癬の治療
西洋医学では生涯続くものとして、対症療法が主体です。
副腎皮質ホルモン、V.Dなど。
尋常性乾癬の光線薬物治療、ソラレンとブラックライト併用によるPUVA治療。
などをされますが、残念ながら対症療法であり決め手にはなっていません。
またこの数年は、どんどん強いクスリを投与する傾向があって恐い気がします。
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乾癬の治療~漢方の優れた治療効果~
文明や医学の進歩と共に尋常性乾癬の患者数は激増し、いまや子供の乾癬まで出現し、
乾癬の症状も冬場が主だったのが1年中になり、複雑化し難治性になっています。
そのために、おすすめする漢方もエキス製剤から煎じ薬にかわっていますが、
乾癬治療の効果の正否は漢方処方の選択も重要になります。糖質の制限も重要です。
最も大切なのは
①病に対する正しい認識
②その病態を出来る限り正確に把握する。
③その病態に最も適応した方剤を与える。 ということです。
このあたりまえのことが東洋医学でも西洋医学でも、なされていない。
乾癬の臨床的特長は、
紅斑とその上に厚い鱗屑をもった乾燥性・落屑性の肥厚した皮疹であり
尋常性乾癬は慢性の増殖性炎症ともとらえられます。
乾癬の病理組織的像は、不全角化を伴う角質増殖、
真皮乳頭の延長とその部分の毛細血管の拡張、
真皮上層の血管周囲に炎症性細胞の浸潤、
走化性の亢進による角層下部の無菌性微小膿瘍などです。
したがって乾癬の病態は慢性増殖性炎症ですが、
現在では尋常性乾癬の真皮における炎症性の変化は
表皮におけるターンオーバーの異常亢進によって起こされるとされます。
すなわち尋常性乾癬の真皮乳頭の毛細血管の拡張・迂曲・捲縮
そして滲出性炎症・多核白血球の浸潤などの
真皮の炎症性変化は表皮内変化に対する二次的な反応と考えられています。
そこで乾癬の表皮細胞の形成増加・分化促進・たんぱく体合成・物質代謝の変化を
漢方医学でいう瘀血であるとした臨床的仮説により漢方治療をします。
乾癬の慢性増殖炎症を、瘀血を基礎とした熱証と判断して次のように方剤を組みます。
乾癬の炎症による充血と紅斑に対しては、清熱降火薬を主とし、
黄連・オウゴン・山梔子・竜胆・石膏・知母などを選んで用います。
乾癬の炎症が慢性化すると清熱涼血薬も必要になります。
生地黄・牡丹皮・赤芍薬・紫根・槐花など。
乾癬の増殖性の炎症には駆瘀血薬を加えます
桃仁・紅花・蘇木・当帰・センキュウ・丹参など。
膿疱性乾癬など化膿性の炎症に対しては抗化膿性炎症の清熱解毒薬の配合も必要です。
金銀花・連翹・苦参・土茯苓・蒲公英・ヨクイニンなど
尋常性乾癬の漢方薬治療
はじめに述べましたように私自身が尋常性乾癬だったのですが、
恩師、山本巌先生に教えていただいた漢方薬処方の治療によって、
さしもの尋常性乾癬も、ほぼ完治して20年になります。
私の乾癬は、春から夏に向かって好転しましたが、
秋から冬に向かって悪化しますので冬は本当にキライでした。
次のような漢方薬を次々と服用してもパッとしません。
◇黄連解毒湯
◇消風散
◇温清飲
◇越婢加朮湯
◇十味敗毒湯
◇荊芥連翹湯
◇竜胆瀉肝湯
◇桂枝茯苓丸
◇大黄牡丹皮湯
今にして思うと、漢方エキスの常用量では量が少なかったのでしょう。
それも充分な成分量が必要ということなので、煎じ薬にしたのです。
やはり煎じ薬は漢方エキスより濃いですから。
それ以来、尋常性乾癬の人には煎じ薬をおすすめしています。
尋常性乾癬の糖質制限と漢方治療効果はてきめんで、「これはいける!」という手ごたえがありました。
最近は20年前と比べると、乾癬の方は非常に増えて、症状もひどくなっています。
乾癬は昔は冬だけの人がほとんどでしたが今は1年中の人の方が多いです。
乾癬の症状も多様で、かゆみや赤味、盛りあがり、炎症の度合いも様々です。
よく聞かれるのが
「どれくらい飲めば尋常性乾癬に効果が見えますか?」と言うご質問ですが、
冬と夏とでは効果の見え方は異なりますし、(夏が良くて冬が悪い。)
生活養生を出来る人と出来ない人とではずいぶん異なりますので
効果判定として、年単位でみていただけるとありがたいです。
煎じ薬の作り方は簡単です。
ラーメンをつくる手鍋などにコップ3杯の水を入れ
ティーパック(煎じ薬1日分)を入れ沸騰10分で出来上がりです。
1日分を2回か3回に分けて飲みます。簡単ですよ。
1ヵ月分の予算は19,500円です。
申し訳ないのですが、煎じ薬の味は飲みにくいです。すぐに慣れますが、、、
乾癬が完治した人もいます。というと皆さんビックリしはりますが本当です。
乾癬が完治した人もいますが、7~8割程度の改善の人の方が多いです。
西洋医学の常識から見ると、信じられないくらい優秀だと思います。
乾癬の症状も、お酒や食事などの影響などがありながらも良くなっていきます。
乾癬の病態生理を知って、その病態生理に合う生薬を組合わせ、
個々の体質や状態に合わせて処方を組み立て、さらにエキスではなく、
煎じ薬を服用していただいてるからこその効果だと思います。
じつは、この点が従来の漢方とはまったく異なる点なのです。
ステロイドを使っていない人や食養生を守る人ほど効果は早いようです。
でもステロイドなどは急にやめるとリバウンドが恐いことがあるので
暫くは併用して、良くなってから少しずつへらすようにしています。
漢方薬の二次的効果として、慢性肝炎が良くなった、生理痛も楽になった、
疲れにくくなった、血糖値も改善した、血液検査で色んな数値がよくなったなどの
漢方ならではの声もいただくことがあり、嬉しいです。
客観的に効果判定をするためにも、患部の写真をとっておいても良いかと存じます。
繰り返しになりますが夜更かししないことと、厳格な食養生は最も重要です。
≪乾癬の漢方薬の効果をより良くする併用薬について≫
食養生をガッチリできる人は大丈夫ですが、どうしても食養生を徹底できない人には
日水のEPAの粒をお勧めしています。
夜更かししないことや、夕食の量を6~7分目くらいにとどめることも大切です。
お大事になさってください。
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