橋本病(慢性甲状腺炎)          誠芳園の漢方の特長 ←クリック

橋本病の原因、症状、治療法、妊娠、出産、免疫について述べます。
『橋本病は治らない。橋本病の自己抗体は下がらない』
ということが常識になってしまっていますが、
誠芳園では皆さん橋本病の自己抗体は下がっています。
正常値になった人も数十人いるのです。


橋本病の自己抗体は、抗サイログロブリン抗体(TgAb)、
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)などです。
免疫や漢方を駆使し、生活養生をすれば、高い自己抗体は下がってきます。

また、チラージンを服用していても症状が改善しない方でも
漢方では速やかに改善することが多いのです。


漢方薬と免疫の錠剤を併用できっちり服用した場合、
症状の改善は早いのですが、橋本病の高い自己抗体の数値は
多くの人は、半年~一年で約半分には改善します。

そして約半分くらいになってからは波がありながら、少しずつ改善してきて
正常値なってから一年間正常値を維持すれば寛解です。
あと生涯症状が出なければ完治としていいかもしれませんね。
事実、自己抗体が正常値になった人は20人以上もいるのです。

       (現在では30人になっています。2020年2月1日)
       (現在では35人になっています。2021年3月3日)
        
Q&A橋本病、甲状腺機能低下症
Q1.橋本病は治りますか?
 「橋本病は治ることはない」と甲状腺専門病院でも漢方の先生にも言われましたが
Q2.橋本病でずっと病院に検査だけ行っています。
  病院では自己抗体の検査をしてくれないのですがいいのでしょうか?

Q3.漢方薬はどれくらいで効果がありますか?
Q4.橋本病の生活養生を教えてほしいのですが。
Q5.橋本病でチラージンを何年も服用していますが、
  喉の腫れが良くなりません。漢方で治りますか?

Q6..橋本病と甲状腺機能低下症とは違うのですか?
Q7..橋本病が悪くなる原因にはどんなことがありますか?


橋本病、甲状腺機能低下症と妊娠、出産、遺伝についてのQ&A
 橋本病や甲状腺機能低下症になると、
 妊娠しにくいのではないか、妊娠しても流産や早産について、または
 妊娠中の甲状腺ホルモン剤内服についてなど不安を感じている人も多いと思います。
 ここでは、橋本病、甲状腺機能低下症と妊娠、出産
 そして遺伝についてをQ&A形式で説明します。

Q.甲状腺機能正常の橋本病で甲状腺ホルモン剤は内服していません。
  妊娠を望んでいますが、何か問題はありますか?
  また、甲状腺機能低下症になる不安もあります。
  甲状腺ホルモン剤のチラージンを服用する場合はどうでしょうか?

Q.子どもに橋本病が遺伝するのではないかと心配です。どうなのでしょうか?


  仮称「隠れ甲状腺機能低下症」

  甲状腺の血液検査ではかるのはFT4、FT3と甲状腺刺激ホルモンTSHの3種類です。
  自己抗体のTgAbやTPOAbが高くて橋本病と分かっても、、
  甲状腺ホルモンが正常なら、晶かに甲状腺機能低下の症状があったとしても
  『甲状腺の機能低下ではなく治療の必要なし』とされてしまいます。
  ところが甲状腺ホルモンの血液検査が正常でも、明らかに甲状腺機能低下症の人は、
  たいへん多く、最も可哀想なのは心療内科か精神科すすめられるケースです。
  うつ病でもないのに抗うつ剤が投与されても、当然、効果はありません。
  このようなケースでも、漢方により甲状腺機能低下の症状はスムーズに改善します。
  『まるで夢のように元気になった』と喜ばれることも多いのです。
  血液検査ではFT3・FT4・TSHの数値はチェックしても
  自己抗体は1年に1度もチェックしないことも多いので
  半年に一回は無理でも一年に1回は自己抗体をみて欲しいです。効果判定になりますから。



甲状腺
甲状腺は,蝶が羽を広げたような形で,のどぼとけの下にあり
大きさは、左右に広く縦4cm厚さ1cmで重さは15g、
正常の甲状腺は柔らかいので外からは触ってもわかりません。

甲状腺は 体の新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを2種類合成し
3個のヨードを含むT3(トリヨードサイロニン)、
4個のヨード含むT4(サイロキシン)、血中に分泌します。
そして脳下垂体からでる甲状腺刺激ホルモン(TSH)により調整されます。

FT3・FT4・TSHは血液検査でわかりますから、橋本病や
甲状腺機能低下症の進行や、治療による改善をみるためにも大切です。
しかし、橋本病では自己抗体を見つめていくことはもっと大切です。


甲状腺ホルモンの働き
甲状腺ホルモンは発育や成長に欠かせないホルモンです。
全身(脳、心臓、消化器、筋肉、皮膚、など)の新陳代謝を活発にし、
精神神経や身体の活動の調整にも働きます。

甲状腺ホルモンが出すぎると、脈が速くなり体温は上昇し、汗をよくかきます。
反対にホルモンが少ないと、脈が遅くなり体温は低下し、活気がなくなります。


橋本病の原因
橋本病は自己免疫疾患です。
免疫のくるいにより甲状腺を異物と勘違いして甲状腺に対する自己抗体
TgAb(抗サイログロブリン抗体)やTPOAb(抗ペルオキシターゼ抗体)をつくってしまいます。
この自己抗体が甲状腺の細胞を破壊していく為、徐々に甲状腺機能低下症になっていきます。
この自己抗体も血液検査でわかります。
橋本病が完治するには、この自己抗体が正常値になることが必要です。

橋本病は別名を慢性甲状腺炎とも呼ばれ慢性的(徐々)に炎症(破壊)が起こります。
頻度は女性の25人に1人、中年の女性では10人に1人くらいです。
橋本病はおよそ2割の患者さんでは徐々に病気が進行して、
甲状腺が十分なホルモンを作れなくなる甲状腺機能低下症に移行します。


橋本病の症状
橋本病は必要量の甲状腺ホルモンが作れない為に、全身の新陳代謝が低下します。
全身症状-------寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、体重増加、声かれ、低音
体温-----------低体温
顔つき・首------ むくみ、甲状腺腫大、のどの違和感、ボーとしたような顔
神経・精神症状-- 物忘れ、無気力、眠たい、ぼっとしている
循環器症状----- 徐脈、息切れ、むくみ、心肥大
消化器症状----- 食欲低下、舌が肥大、便秘
皮膚-----------汗がでない、皮膚乾燥、脱毛、眉が薄くなる、皮膚の蒼白
筋骨症状------- 脱力感、筋力低下、肩こり、筋肉の疲れ
月経-----------月経不順、月経過多
血液値--------- コレステロール上昇、肝障害、貧血


橋本病の病院の治療
不足している量の甲状腺ホルモン薬(チラージンS)を服用(補充)します。
補充療法だけでは根本的には治癒しないため、一生毎日薬を飲み続けます。


橋本病と妊娠・出産・授乳
橋本病があると妊娠、出産、授乳に対して
不安をもたれる女性が多いのですが、産科医に知らせておけば大丈夫です。
甲状腺ホルモン剤が必要な場合には、甲状腺ホルモン剤をのまないよりも、
のむ方が母子ともに安全です。安心しておのみ下さい。

この薬と一緒に飲んではいけない薬はなく他の病気で治療を受けている時も服用できます。


ヨードを多く含む昆布は、甲状腺機能低下を助長しますので普通以上に食べないで下さい。

また、甲状腺の一部が壊れて一過性に甲状腺ホルモンが多くなり
動悸やイライラ、やせなどの亢進症の症状を示すことがあります。

特に妊娠初期やお産のあと三カ月後くらいにこのようなホルモンが多すぎる症状や
甲状腺機能低下症が急速に進行する場合がありますのでご注意下さい。

甲状腺や橋本病について、すこし調べるだけで以上のことはすぐにわかるかと思います。
でも皆さんはここで、はてな?と思いませんか。

橋本病は自己免疫疾患である。
でも治療は甲状腺ホルモンをコントロールすることである。という点についてです。


自己免疫疾患の治療の本筋は
免疫のくるいを正すことによって、
つくられすぎた自己抗体を処理することと、
新しい自己抗体をつくりにくくすることです。


甲状腺ホルモンをコントロールすることも、もちろん大切ですが、
自己抗体をへらし、免疫のくるいを更正することはもっと重要です。

自己抗体が正常化すれば甲状腺は破壊されなくなります。
甲状腺が破壊されなくなれば橋本病は治る、ということになります。

自己免疫疾患の原因
免疫力が正常であれば、自分自身とウイルスなどの外敵とを区別して、
(決して自分自身を攻撃することなく)外敵だけをやっつける「抗体」をつくります。


ところが免疫系が酷使され続けて、
「自分と自分以外の敵を識別する力」に異常をきたすと、
自分自身を攻撃する「自己抗体」をどんどん作ることになってしまいます。

免疫異常

自己と非自己を識別できなくなる

自己を攻撃する「自己抗体」を作る。


まるで、国や国民を守るための自衛隊が狂って、国民を攻撃するのに似ています。


橋本病の漢方治療
漢方誠芳園薬局では、FT3・FT4・TSHの改善だけではなく
やはり自己抗体までも正常化することを目指しています。

自己抗体を正常化することが、橋本病が治る。と言えるからです。

まずは3ヶ月飲んでみて、
FT3・FT4・TSHや自己抗体の変化を見てはいかがですか。
身体の症状は、多くの人は一ヶ月で効果が見えています。
自己抗体は約半年あれば半分くらいにはなることが多いです。

お勧めは、免疫を良くするものと漢方薬の併用です。
気になるお値段は、漢方薬と錠剤の併用で1ヶ月 35,700円です。
ゆっくりペースで良い方や、あまり症状のない方は
錠剤だけで、1ヶ月 16,200円です。


漢方薬は病院の薬と併用しても大丈夫です。
良くなってきてから、ほとんどの場合、医師が病院の薬を減らしてくれます。

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Q&A橋本病、甲状腺機能低下症

Q1.「橋本病は治りますか?
A.「橋本病が治る」ということは、自己抗体のTgAb(抗サイログロブリン抗体)や
TPOAb(抗ペルオキシターゼ抗体)が正常値になって、ずっと正常値を維持する。
ということで良いのではないかと思います。

今年(平成24年)だけでも、橋本病の自己抗体が正常値になった人が6人います。
橋本病の自己抗体が正常値になった人は
平成24年以来、現時点(平成27年)まででは18人。平成30年では28人。
令和3年3月では35人になっています。


自己抗体は下がるはずがないという常識のため、
2回目以降は、なかなか自己抗体をチェックしてくれないことが大問題です。

Q「橋本病は治ることはない」と甲状腺専門病院でも、有名な漢方の先生にも
言われましたが?

A.現実に橋本病が治っている人がいるのです。
殆どの人が半年から一年もあれば、高い自己抗体が半分にはなりますし。。。

Q2.橋本病でずっと病院に検査だけ行っています。
病院では自己抗体の検査をしてくれないのですがいいのでしょうか?

A.一般的に自己抗体を下げる方法がないので、最初だけ検査をして、
あとは「自己抗体の検査はするだけ無駄」という考え方があります。

その結果、初回のチェックをしたあとは、何年も自己抗体を検査しません。
漢方を飲んでいるので「自己抗体の検査をして下さい」というと怒り出す先生もいます。
なにも怒らなくてもいいのにね。

私は半年に一回は無理でも、一年に1回くらいは自己抗体の血液検査をおすすめします。
血液検査の数字で良くなっているのを見ると嬉しいですし、
治るまで漢方を続ける励みにもなり、効果判定にもなるからです。

西洋医学では
自己抗体TgAb(抗サイログロブリン抗体)やTPOAb(抗ペルオキシターゼ抗体)は
下がるはずはない、というのが常識なのですが
私共では、ほとんどの人の自己抗体は下がっていくんですよ。

Q3.漢方薬はどれくらいで効果がありますか?
A.まず症状があれば、その改善はほとんどの場合、1ヶ月以内にわかります。
早くて数日後、遅くて1~2ヶ月くらいでしょうか。
ただし、夜更しする人や
ものすごいストレスのある人、そして頑張りすぎる人はゆっくりです。


自己抗体のTgAbやTPOAbは半年から一年もあれば約半分に下がる人が多いです。
その後も半年から一年毎に半分になっていくというペースの人が多いです。
正常値になるまでは決して短い期間ではないけれど頑張って完治してほしいです。

Q4.橋本病の生活養生を教えてください。
A.
まず、夜更しはしないことが大切です。
できれば夜の10時までには、遅くても11時までには寝て欲しいですね。
そして頑張りすぎないこと。
ものすごいストレスがある場合は何とか解消してほしいですね。


日常の生活では特に食事制限はありませんが、海苔や海産物を好んで多食したり
逆に極端に制限するとかえって病状を悪くすることがあります。
海藻類などに含まれるヨードは、甲状腺ホルモンの原料となるので
ヨードが必須であり、1日当たり0.05~0.15mgのヨード摂取が必要と言われています。

日本では海藻類の消費が多く、他の国と比較すると5~10倍もヨードを摂取していて
日本人のヨード摂取量は1日0.2~1.5mgと言われています。
一般では、このようなヨード過剰状態が続いても
自然に適応して甲状腺ホルモンの合成・分泌機能が回復しますし、
過剰なヨード摂取を中止すればもとの甲状腺機能に戻ります。

しかしながら、橋本病患者さんでは、正常者のような自然の適応力や回復力が低下し、
永続的な甲状腺機能低下症になることがありますので
橋本病の方はヨードを取りすぎないことが大切です。

ワカメ・海苔などを普通くらい食べるのは大丈夫です。
食品のヨード量は昆布で最も多く1gあたり2~4mg、
次いでひじき1gあたり0.2~0.4mg、
ワカメ・海苔・寒天(1gあたり0.1~0.2mg)の順となっています。

ヨードを多く含む食品
食品 1食に摂る標準量 1食あたりのヨード含有量
昆布の佃煮 5~10g 10~20㎎
昆布巻き 3~10g 6~20㎎
とろろ昆布 5g 9㎎
昆布だし汁 昆布として0.5~1g 1~3㎎
ヨード卵 1個 0.4~0.7㎎
ひじき 5~7g 1.5~2㎎
わかめ吸い物 1~2g 0.08~0.15mg
海苔 1枚2g 0.12㎎
寒天 1g 0.18㎎

とくに昆布やひじきなどの海藻類の大量摂取は控える方が無難です。
また、うがい薬・消毒薬・造影剤にも大量のヨードが含まれていることがあるので
注意して下さい。昆布だしにも大量のヨードが含まれています。

Q5.橋本病でチラージンを何年も服用していますが、
喉の腫れが良くなりません。漢方で治りますか?

A.橋本病すなわち慢性甲状腺炎によるびまん性の甲状腺の腫れでしたら、
漢方で良くなってきます。良くなるスピードは
腫れの度合いの大きい小さい、または経過の長い短いによっても変ります。

Q6..橋本病と甲状腺機能低下症とは違うのですか?
A. 橋本病と甲状腺機能低下症とは分けて考える方が良いです。

自己抗体であるTgAb(抗サイログロブリン抗体)、
TPOAb(抗ペルオキシターゼ抗体)の両方または
どちらかが高い場合を橋本病(慢性甲状腺炎)と言います。(TRAbは正常値)

橋本病(慢性甲状腺炎)の状態から何割かの人は
甲状腺ホルモンが少なくなって甲状腺機能低下症になります。
すなわちFT3、FT4が低下していてTSHが上がっている場合が甲状腺機能低下症です。
やはり甲状腺を疑う場合には、FT3、FT4、TSHだけではなく
自己抗体のチェックは必要です。

Q7..橋本病が悪くなる原因にはどんなことがありますか?
A. 私は、橋本病が悪くなる原因として、いつも言っていることは
①夜更かし ②ストレス ③頑張りすぎの3つです。

ストレスとしては主に、転職、結婚、離婚、本人や子供の受験、看護、
配偶者の死亡などです。睡眠薬や安定剤、抗うつ薬を飲む。
それ以外には次のようなことがあります。
○出産
産後1~3か月の早い時期に悪化する可能性があります。
無痛性甲状腺炎を起こしたり、甲状腺機能が低下したりします。
○ヨードを大量に含む食品
主に昆布やヒジキです。イソジンのうがいのしすぎも注意です。
○インターフェロン治療
2~6ヶ月で悪化する可能性が高い。
○婦人科の子宮内膜症や不妊治療に使われる
ゴナドトロピン放出ホルモンアゴニスト(GnRHアゴニスト)
(スプレキュア・ナサニール・ゾラデックス・リュープリンなど)
2~4ヶ月で悪化することが多い。

○副腎皮質ステロイド  などがあります。

橋本病、甲状腺機能低下症と妊娠、出産、遺伝についてのQ&A

Q.甲状腺機能正常の橋本病で甲状腺ホルモン剤は内服していません。
妊娠を望んでいますが、何か問題はありますか?
また、甲状腺機能低下症になる不安もあります。
甲状腺ホルモン剤のチラージンを服用する場合はどうでしょうか?

A.甲状腺機能が正常であれば不妊の原因にはなりません。
ただし甲状腺機能のコントロールが不十分で、甲状腺機能低下症の状態では、
不妊や流産、早産の原因となる場合があります。

橋本病では一般の妊婦に比べて流産や早産が多いとの報告があります。
妊娠中に甲状腺ホルモンが不足しないように、注意深く経過観察をして下さい。

甲状腺ホルモンは、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)や
黄体形成ホルモン(LH)とともに卵巣に直接働き、女性ホルモンの分泌を助けます。
また、妊娠中には胎盤の働きを正常に維持するためにも重要な役割を果たしています。

ですので、甲状腺機能低下症は月経異常や不妊の原因となるばかりでなく、
早産や流産の原因にもなることがあります。

また、橋本病をもった妊婦は、たとえ妊娠時に甲状腺機能が正常であっても、
妊娠経過中に甲状腺機能が低下しやすいことも原因として考えられます。

妊娠中にわずかでも甲状腺機能低下症の
傾向があれば甲状腺ホルモン剤の内服を開始すべきです。

妊娠中は非妊娠時と異なる甲状腺機能の目標値が設定されています。
通常のTSHの正常範囲は0.4~4.0μU/mLくらいですが、
妊娠前期ではTSH 2.5μU/mL未満、
妊娠中・後期ではTSH 3.0μU/mL未満に維持することを推奨しています。
したがって、甲状腺機能正常であっても、
TSHが 2.5μU/mL以上の方で近い時期の妊娠を考えている場合は、
妊娠に備えて、妊娠前からTSHを目標値にコントロールしておきたいのです。

また、妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が30~50%増加するため、
妊娠が分かったらすぐに受診して、
甲状腺ホルモン剤の補充量が適切かどうか確認を受けてください。

妊娠中の食生活に関してですが、
過剰なヨードを摂取すると甲状腺機能低下症の起こる可能性があり、
胎児にも悪影響を及ぼしますので、過剰なヨード摂取は控えましょう。
ヨード摂取に関しては詳しく説明していますので参照してください。

最後に、橋本病をもっていることで
子どもに奇形の発生率が高いということはないので安心してください。
甲状腺ホルモン剤には副作用はなく、奇形の原因にもなりません。

以上のように、甲状腺機能低下症の方の妊娠においては、
甲状腺機能のコントロールをより厳格に行う必要があります。

Q.子どもに橋本病が遺伝するのではないかと心配です。どうなのでしょうか?
A.橋本病を発病しやすい体質は遺伝しますが、
橋本病は遺伝だけで起こる病気ではなく、環境要因が加わって初めて発病します。

なんといっても夜更かしが悪いです。そして、過度のストレスや過度の頑張り過ぎ、
病院のクスリののみすぎなどがなければそれほど心配しなくても良いと思います。

ただ、橋本病は思春期以降に発病することが多いため、
念のためこの頃に一度調べるのがよいでしょう。

思春期以前でも甲状腺の腫れや
甲状腺機能低下症の症状を疑った場合は検査を受けてみて下さい。
子どもでは甲状腺機能低下症が原因で、
身長の伸びが急に穏やかになるといった変化が現れることがあります。
このような兆候があれば一度検査を受けましょう。

受診時は、甲状腺機能検査だけでなく、TgAbとTPOAbの測定、超音波検査も
できるだけ受けるようにしてください。
                   
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