アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因、症状、治療法について、
また、赤ちゃん,小児のアトピー、成人,大人までのアトピーの
症状別、タイプ別、漢方薬治療について述べます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は文明の進化と共に増加し、
しかも先進諸国ほど難治性のものが増えています。


書店に行くと「アトピーは〇〇で治る!」「△△式アトピー性皮膚炎の治し方!」
「驚異の〇〇療法!」といった目新しい治療法の本のおびただしい数に驚かされます。
ときにはビックリするような高額の治療法?もありますから
社会問題にならないのが不思議なくらいです。
第一選択である病院治療でアトピー性皮膚炎が治っていくのなら
このような現象も起こらないかもしれません。

アトピー性皮膚炎がよくなった人の中で、当店に来る前に
「じつはアトピー性皮膚炎を苦にして自殺を考えたことがある」
という人が何人もいるのですから、事は深刻です。

安心して下さいね。アトピー性皮膚炎は良くなるものなのですから。

私は、西洋医学の診断学、病態生理、免疫学、食養生、
そして恩師山本巌先生の漢方医学を研究させていただいて、
私の主観ですが、高い確率で大変よい結果を得ています.
ただし、食養生をしないで夜更かしをしていると治るものも治りません。
甘いもの、肉のとりすぎ、ラーメン、ケーキ、お菓子、チョコレートや
チーズ、乳製品などは止めて、和食で野菜を本当に沢山とることが大切です。
例えばチョコレートを食べたその夜からたちまち赤くなり痒くなる人もいます。


アトピー性皮膚炎の症状
 おおまかに年令によってそれぞれの特徴があり病態も異なります。

赤ちゃん、乳児期のアトピー性皮膚炎
 顔面や頭部を主として、紅斑、鱗屑、痂皮などを認めジュクジュクしていることが多い。

幼児期、小児期のアトピー性皮膚炎
 身体の中心は乾燥化、手足の屈側や首を中心に苔癬化、痒みの強い丘疹や貨幣状湿疹の状態のことあり。

成人(大人)期のアトピー性皮膚炎
 苔癬化はひどくなり、その範囲も拡がり、悪化により皮膚が強く肥厚します。
 上半身を中心に症状が強くなります。いずれも痒みが強く、
 この場合は、駆瘀血剤を合わせて治していきますが、年単位の期間は必要です。

アトピー性皮膚炎治療、漢方の考え方
 西洋医学の長所である診断学、病態生理を理解したうえで
 病態に応じて、適切な生薬を配合された漢方処方を選んでいきます。

 皮膚の状態を明確にして、それぞれの皮疹に対応することは当然重要ですが、
 もっと大切なことは全身的な状態を把握した中で皮膚の状態をみることです。
 したがって、皮膚の状態と全身の状態とを同時にみつめて対応します。

 漢方医学では、表面に現れた皮膚の治療を「標治」
 全身的な体質をみて、根本的に改善することを「本治」と呼びます。
 「標治」「本治」のどちらの場合にも、それぞれの処方が用意されています。

 手順も多様で、標治から始めて本治、本治から始めて標治、
 ときには本治と標治を同時に施行する場合もあります。
 また、案外どちらか片方の手法で済むこともあります。

アトピー性皮膚炎の漢方治療
「標治」として皮膚の状態をみます。

1.炎症(充血、発赤、熱感、腫張)=熱症⇒清熱剤
 炎症性充血⇒清熱瀉火薬
 滲出性炎症⇒清熱瀉火薬、清熱利湿薬
 化膿性炎症⇒清熱解毒薬
 出血性炎症⇒清熱涼血薬
 増殖性炎症⇒清熱薬+活血化瘀薬

2.湿潤(水泡、びらん、膨疹、浮腫)=湿証⇒利湿薬、きょ風湿薬
 浮腫⇒淡滲利湿薬
 炎症性浮腫⇒清熱利湿薬
 寒証の浮腫⇒温化利湿薬

3.乾燥(鱗屑、亀裂、皮脂欠乏)=燥証⇒補血潤燥薬
 炎症による場合は、血虚+熱⇒補血潤燥薬+清熱薬

4.そう痒=風証⇒きょ風薬、解表薬、熄風薬
 風熱証⇒辛涼解表薬
 風寒証⇒辛温解表薬

「本治」として全身的な状態をみます。
 虚実(体力の強弱や胃腸の強弱)、疲れやすい。
 寒熱(身体の一部、又は全身が冷える、または熱っぽい)乾湿、下痢、便秘気味、
 発汗の有無、食欲の有無。声が大きい小さい、カゼをひきやすい、
 カゼの時は高熱が出る又はあまり熱は出ないetc。

アトピー性皮膚炎の中でも難治性のものとされるのが、成人(大人)の
とくに上半身の苔癬化し肥厚したものです。漢方では苔癬化は
ファイブローシスで「瘀血」と考えて、「瘀血」の漢方薬で対応できるものです。
 

アトピー性皮膚炎治療の漢方薬

 ◇十味敗毒湯
 ◇消風散
 ◇越婢加朮湯
 ◇五苓散
 ◇黄連解毒湯
 ◇温清飲
 ◇柴胡清肝散
 ◇荊芥連翹湯
 ◇竜胆瀉肝湯
 ◇桂枝加黄耆湯
 ◇補中益気湯
 ◇白虎加人参湯
 ◇梔子柏皮湯
 ◇通導散
 ◇桂枝茯苓丸
 ◇桃核承気湯

アトピー性皮膚炎の食養生
もちろん食養生は大切です。甘いもの、冷たいもの、果物、
そしてファーストフードなどの油ものなどをへらすことは重要です。
やはり昔ながらの日本食で、
旬のもの(アクの強いものや、成長の早すぎるもの以外)、新鮮なものが良いでしょう。

漢方薬は、エキス顆粒もありますが、
難治性の場合はせんじ薬をおすすめすることが多いです。
まずは2~3ヶ月飲んでみてはいかがですか。


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