機能性ディスペプシアは、様々の検査でも内視鏡で観ても異常がない状態なのに、
「胃もたれ、早期満腹感、みぞおちの痛み」などの症状がよく出る疾患です。
主な症状は
胃もたれ(食べたものが胃の中にたまっている状態)
早期飽満感(食べ始めてすぐにお腹がいっぱいになってしまう)
心窩部痛(みぞおちの痛み)
心窩部灼熱感(みぞおちが焼けるような感覚)などです。
ただ、1つの症状だけの方は少なく、胃もたれと早期飽満感があったり、
胃もたれと心窩部痛があったり、複数の症状が合併しているケースも多いです。
また、機能性ディスペプシア以外の病気を合併することも珍しくありません。
逆流性食道炎や過敏性腸症候群の合併や、不安や抑うつなどと合併している方もいます。
一般的治療では芳しくなく、「ドクターショッピング」を行う患者さんが多いと言われていて、
ある調査では、日本人の10人に1人が機能性ディスペプシアであると言われています。
機能性ディスペプシアの原因は
睡眠不足や過労などに加えて、悩みやストレスを抱えて、不安やうつなどの
気分の不調も機能性ディスペプシアの症状を引き起こします。
消化管の運動機能異常、消化管の知覚異常(少しの刺激で反応する状態)も要因になります。
機能性ディスペプシアの治療方法は
機能性ディスペプシアの治療では、胃酸分泌抑制薬(胃酸の分泌を抑える薬)や、
消化管運動改善薬(胃の動きをよくする薬)、抗うつ薬や抗不安薬まで服用している人もいますが
あまり改善しないために漢方薬を使うことも多いようです。
しかしながら、非常に残念なことに、何故か一般的に投与される漢方薬は
「機能性ディスペプシアには六君子湯」ということになってしまっています。
ところが機能性ディスペプシアに六君子湯は決して第一選択薬ではなく、
六君子湯が有効なのは10人に1人、多くても2人くらいなのでしょう。
もちろん六君子湯で効果のあった10人中1人か2人は幸いで良いのですが......
機能性ディスペプシアに、漢方薬は早くて数日、遅くても1ヶ月で効果は見えるはずです。
是非、本当に漢方を研究している医師や薬剤師に相談して下さい。
生活習慣・食習慣の改善
機能性ディスペプシアは症状が治まってからおよそ5人に1人が再発するといわれています。
でも生活習慣や食事内容を改善することで、再発するリスクも抑えられると考えます。
水分を多く摂り、よく噛みゆっくり食べて胃の動きを促す、小分けにし食べ過ぎないことなど、
食べる内容や食べ方も大切ですが、不安を抱かずに楽しく食事をすることは最も重要です。
食事は、人と話をしたり好きな音楽を聴いたりするなどして、楽しく食べることがおすすめです。
刺激の強い物や、脂肪の多い食事、アルコール、カフェインなどは症状を悪化させることがあります。
適度な運動で身体を動かし、程よく汗をかくのは、ストレスの解消に大いに役立ちます。
趣味の時間・リラックスできる時間を確保して、睡眠を十分に取ることも重要です。
ストレスを“ゼロにする”のではなく、“うまく付き合っていく”ことを意識しましょう。
詳しくはお問合せフォームからご質問下さい。