血液検査

血液検査は情報満載で、副作用もなく、病態や経過を見るのに役立ちます。

しかし、検査値には個人差があり、必ずしも教科書どおりになるとは限りません。
確定診断には問診や画像診断などを合わせた総合的な判断が必要です。

血液検査では分かりにくい場合もありますが一喜一憂することなく見ていけば、おすすめできる検査です。


   




血液検査①ー肝臓

 漢方では、基本をしっかり理解していれば副作用はなく、

  西洋医学を凌ぐ効果を現します。サオタイやLEM併用。



肝臓は平素2030%の力で働いているため少々のことでは検査値にでない。

肝細胞の寿命は150日、常に壊されては再生する。古い細胞がずっとあると肝機能は低下する。

壊れた細胞は、クッパー細胞などの免疫細胞が処理し速やかに新しい細胞を再生する。

壊れた細胞の処理や再生が遅れるとⅣ型コラーゲン(繊維質)が入り込み肝硬変の元になる。

<肝機能の検査> 肝臓の働き

障害を受けた肝細胞は速やかに再生できないと肝臓が萎縮する。

肝硬変線維化されているため、ASTALTは血管までいけなくなり下がってゆく。

線維化がすすむと胆道や血管が圧迫されて胆道閉塞、門脈の渋滞、栄養が入らない、脾臓が腫れる。
病院のクスリは消防車と同じで火(炎症)は止めるが家は建ててくれない。

肝硬変はわかった時点で、できるだけ早い相談の方がありがたいのです。 「肝硬変」詳しくはこちら

   以下の肝臓で作る成分のほとんどが低下すると肝硬変が疑われる。
   
アルブミン、CHE(コリンエステラーゼ)、コレステロール、PT%、血小板
などが低下。
  肝硬変では、上部消化管出血・肝性脳症・腹水・門脈圧亢進をケアします。


ALb(アルブミン)  肝臓で作られる。栄養状態や回復力の指標となるタンパク質。

  身体に栄養を届け血液や筋肉の原料となる。身体の余分な水分を吸いとり腎臓へジャーと流す。

  体力を保てる最低の指標は3.53.0でむくみやすく、2.5以下で腹水がたまりやすい。


CHE (コリンエステラーゼ)    最も敏感に肝機能を表す肝臓でつくる酵素

  CHEが正常でアルブミンが低いケースはアミノ酸の吸収不足、栄養不足。


T-CHO(総コレステロール)    70%は肝臓でつくる。低いと肝臓が弱っている。

  「コレステロールはよくないもの」というイメージがありますが、

細胞の膜やホルモン、ビタミンDなどの材料となり、

ウイルスや癌をやっつけるリンパ球などの原料になります。

PT活性(%)  肝臓でつくる凝固因子


PLT(血小板) 肝機能が低下すると血小板をつくるトロンボポエチンを肝臓でつくれなくなる。

  がんの人で高いのは炎症や転移の可能性。低いのが問題で体力低下、生命予後にかかわる

  初期の肝硬変では12万がボーダーライン。悪化すると10万以下まで下がる。


BUN/Cr が20以上  腹水の利尿剤長期服用により脱水状態になっている可能性。

  脱水状態になると、肝性脳症や上部消化管出血の悪化の要因。

血中アンモニア  肝硬変の肝性脳症は血中アンモニアが原因。

  肝性脳症の予防・治療には漢方の方が速効性があり有効率も高い。

食道静脈瘤などの上部消化管出血や門脈圧亢進には田七のサオタイをおすすめしたい。


<肝障害の検査>  細胞が壊れたときに出てくる酵素ASTALTLDH 

ASTGOT  肝臓だけでなく筋肉や臓器にも多い

ALTGPT  
ほとんど肝臓にしか存在しない。慢性肝炎ではASTALT

  肝硬変や肝臓がんではASTALT。肝硬変が進行すると正常値に近づいていく。

  ALT 150以上で肝機能が低下する。さらに高く500以上でも煎じ薬ですみやかに改善します。

LDH   
多くの臓器に含み、高いとどこかに損傷が起きている。胃がんや肺がん、心筋梗塞など。

  LDHASTは普通仲良しで連動する。 両方上がるときはどこかに炎症がある。

  高いLDH/ AST (は正常値) これが10以上なら、腺がんや血液がんの可能性があります。


<胆道系(解毒能)の検査>   ALPγ‐GTP、ビリルビン、LDH

 不要になったゴミ(老廃物)は肝臓で解毒(無毒化)し、

水に溶けるゴミは(アンモニアなど)血液を通って腎臓から尿として排泄。

水に溶けないゴミはコレステロールと合わせ胆汁として十二指腸へ送り便として排泄。

この胆管が詰まると胆汁の流れが悪くなりALPγ-GTP、ビリルビンが上がる。

γ‐GTP  
解毒の異常があったときは素早く上がる。肝細胞は壊れていない。

  お酒だけではなく、クスリによっても上がる。基準値以下の人はタンパク質が不足している。

ALP(アルカリフォスファターゼ) 
ALPは胆汁をとおして外に出る。胆道検査。

  ALP8%以上の変動があれば基準値内でも異常。そのため最も見逃されやすい
  ALPCa共に上昇  骨転移、例えば肺・乳・前立腺・甲状腺がんは骨転移しやすい


γ‐GTPALPがセットで高いと   
肝内胆管のつまりがある。

ビリルビンまで高いと総胆管のつまりがある。胆のうの異常。

便やおならが臭くなっていませんか?

T-Bil(総ビリルビン)  
基準値0.21.0

   3になると白目が黄ばみ、5以上だと肌も黄色くなる。肝硬変で10を越えると危険ゾーン。

   非代償性肝硬変では、線維化の著明な進行により間接ビリルビンも上昇する。

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血液検査①-2ー肝臓疾患





<肝臓疾患>  アルコール性脂肪肝500万人、肝硬変300万人、肝臓がん3万人。


○ウイルス性の慢性肝炎  B型肝炎、C型肝炎、劇症肝炎

   ASTALT↑γ‐GTPCHEは基準内が多い、

   ALT300以上では煎じ薬がおすすめです。

○肝硬変とウイルス性肝炎以外の肝疾患

        アルコール性、MASHPBC、脂肪肝、AIH、肝臓がん

〇アルコール性肝炎、アルコール性脂肪肝  
γ‐GTP高く、ASTALT

   CHEは基準値以下でASTALTともにすこしでも高いと、漢方をすすめたい。

   エタノールによってALTの合成が阻害される、一方ミトコンドリアまで障害されるため。

〇脂肪肝   
ASTALTγ‐GTP基準内、CHEは高い。

   脂肪肝は脂肪が30%以上沈着している。おしくらまんじゅうされてALT上昇。
   脂肪肝はまだ細胞が壊れていない。MASHは細胞が壊れている状態。
   肥満、糖尿からでもアルコールの飲み過ぎでもおこる。漢方薬が有効です。


MASH(代謝異常関連脂肪肝炎) 
アルコールを飲まない人にも多い。

   脂肪肝の多くは良性だが、その20%(約300万人)は炎症や線維化を伴い、

   この10年間でMASHから進行した肝硬変や肝がん患者が倍増している。

 MASHは診断がつきにくく、痩せ型の人でも気がついたときには進行しているケースも多い。

 糖分とくに果糖のとりすぎ。運動不足。そしてタンパク質不足で脂肪が肝臓に集まる。

   基礎としてHbA1c及び中性脂肪の上昇がある。進行すると脳梗塞や心筋梗塞にも注意。

PBC―原発性胆汁性胆管炎 
抗ミトコンドリアM2抗体。「原発性胆汁性胆管炎」詳しくはこちら

γ-GTPALPがセットで上がる。ALP8%以上の変動があれば基準値内でも異常
   
PSCー原発性硬化性胆管炎 同じ検査値で治療の効果判定をします。

AIH―自己免疫性肝炎 
抗平滑筋抗体

   ステロイドが有効ですが、その副作用を減らすためにも漢方薬はおすすめです。

〇肝臓がん 
AFP(αフェトプロテイン)、PIVKA-Ⅱ 主に肝細胞癌で高くなる腫瘍マーカー
   1回の検査結果よりも、数値の変化を追うことが大事です。
   がんが大きくなると血管も胆道も圧迫されて肝硬変のような病態になる。


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血液検査②ー甲状腺 バセドウ病





〇バセドウ病(甲状腺機能亢進症) 「バセドウ病」詳しくはこちら

500人以上の 甲状腺疾患の人のお世話をさせて頂いています。とくに、
メルカゾールなどの副作用で肝機能が悪くなったり、顆粒球が減少してしまう人も、

「もうアイソトープか手術しかない」と言われてる人や、甲状腺眼症の人も多いです。

自己抗体  TRAb(TSHレセプター抗体) 眼症ではTSAb
FT4 
甲状腺から分泌されるホルモン。代謝を亢進する。
FT3 
肝臓や腎臓でFT4FT3に代える。FT4より数倍も活性が高い。
TSH 
脳下垂体から出される甲状腺刺激ホルモン。
甲状腺ホルモンが作られすぎる為に、全身の新陳代謝が亢進します。
症状
  暑がり、発汗、疲れやすい、だるい、食欲亢進、体重減少、イライラ感、
  不眠、動悸、頻脈、息切れ、手足のふるえ、不妊、肝障害、眼の症状
漢方薬とLEMの併用がお勧めです。肝臓や腎臓、血圧も一緒に良くなるようです。
妊活はTRAb7以下になってからの方が良いです。


〇無痛性甲状腺炎亜急性甲状腺炎はノドの痛み、発熱有)
   
これらは約2ヶ月で自然治癒しますが、バセドウ病と間違えないように注意です。

バセドウ病の人も橋本病の自己抗体陽性の人は多い。
長期間の服用では、妊活の時にすすめられるプロパジールやチウラジールよりも
 メルカゾールの方が副作用は少ない
ANCA関連血管炎など)
ヨウ化カリウム丸は速効性があり、副作用はめったにないが長期間の服用で
 急に効かなくなる(エスケープ)ことがある。私達はその前には治してしまいたい。


〇甲状腺眼症について    「甲状腺眼症」詳しくはこちら

眼症の症状と検査  TSAb(抗TSHレセプター刺激性抗体)
 
眼球突出、まぶたの腫れ、物が二重に見える、まぶたがつりあがる、まぶしいなど
 「眼症なのだからあきらめなさい」と、治らないと思い込む医師も多い。
 甲状腺眼症は、西洋医学でも漢方でも症例がほとんどなく、お手上げのようです。
 でも、眼症が悪化すると人相まで変わってしまうので、ことは深刻です。
 少しでも何とかしたい!と、考えられるあらゆる方法を4年も5年も研究しました。
 そしてようやく7年ほど前から、煎じ薬でずいぶん改善するようになっています。

 甲状腺眼症特有の自己抗体TSABも改善できるので、あきらめないでチェックして下さい 。

〇ステロイドパルス療法について
複視は外眼筋に炎症が続いている活動性の時期には約60%の人に有効。
眼球突出だけの場合はほとんど効果なし。
結膜充血結膜浮腫には有効。これらに伴う眼球突出のある場合は、みかけ上は改善する。
脂肪組織の体積を減少させる効果はない。

 煎じ薬とLEMの併用がお勧めです。眼症は速効性ではなく長期服用が必要です。

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血液検査③ー甲状腺 橋本病

〇橋本病(甲状腺機能低下症)  「橋本病」詳しくはこちら
自己抗体は下がらないという常識のため、2回目以降は、自己抗体をチェックしないことが多い。
それでも長年の研究と工夫により、橋本病の自己抗体は約40人が正常値になっています。
漢方の服用と共に、せめて一年に1回くらいは自己抗体の血液検査をおすすめします。


自己抗体  TgAb(抗サイログロブリン抗体) TPOAb(抗ペルオキシダーゼ抗体)
FT4 
甲状腺から分泌されるホルモン。代謝を亢進する、低いと代謝は低下する。
FT3 
肝臓や腎臓でFT4FT3に代える。FT4より数倍も活性が高い。
TSH 
甲状腺刺激ホルモン。甲状腺ホルモンの過不足を鋭敏にコントロールする。
必要量の甲状腺ホルモンが作れないと、全身の新陳代謝が低下します。(TSHは高い)

TSHは正常値でも2.5以上あれば潜在性の甲状腺機能低下とする考え方があります。
妊活では妊娠前と初期は2.5以下、中期から後期は3.0以下が望ましい。
症状
  寒がり、疲れやすい、動作が鈍い、気力の低下、のどの違和感、甲状腺の腫れ
  むくみ易い、太り易い、コレステロールやASTCPKが高い、便秘、肝障害
甲状腺ホルモン(FT4FT3)が正常値の場合は
明らかに甲状腺機能低下の症状があっても、「甲状腺とは無関係だ」と
言われて困っている人は案外多い。中には心療内科をすすめられて悪化する人までいます。
そこで漢方を服用するとすんなり改善し、たいへん喜ばれています。

  
橋本病であっても、生涯甲状腺機能低下にならない人も多い。
    橋本病の人は睡眠鎮静剤によって甲状腺機能低下症になることがあります。

  
橋本病の人がバセドウ病になることもある(約10人に1人)。
  
チラージンは高齢者や心疾患のある場合は少量からゆるやかに始める。
食事の注意、とくに大量のヨードを含む昆布、ひじきには注意して下さい。
漢方薬とLEMの併用がお勧めです。肝臓や腎臓も一緒に良くなっています。


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血液検査④―膵臓

〇膵炎                    「膵炎」詳しくはこちら
急性膵炎はわかり易いけれど、慢性膵炎は診断のつきにくいことも多いのです。

〇膵炎の発見が遅れるワケ
「膵臓は背中が痛む」のイメージが強いからなのかもしれません。
 膵臓は、胃や腸などと重なっているために、胃や胆石の痛みと間違えられます。
 膵炎の初期症状は腹痛が92%、吐き気・嘔吐25%、背部痛13%、食欲不振7%です。
痛みが止まるから気付きにくい。特に慢性膵炎では、初期は痛みが強くても、
 進行すると膵臓の機能そのものが低下し、逆に痛みが目立たなくなることがあります。
③一番初めの急性膵炎の時はアミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼなどが上昇しますが、
 3~15日後には悪くなっていても正常値に戻るので慢性膵炎では血液検査に出にくい
 明らかに膵炎の症状があっても、アミラーゼ、リパーゼ正常で問題なしとされる人も多く、
 画像診断をしても5年または10年程度ではわからないことが多いのです。

   
 
アミラーゼ  炭水化物を分解する酵素。膵臓だけでなく、唾液腺からも分泌される。
   発症1~2日でピークになり、改善していなくても3~4日で正常化します。
   また、アルコール性膵炎、特に慢性膵炎の急性増悪では上がりにくいので注意が必要。
   高脂血症からの膵炎では正常値~低くなることがある。

   
 
リパーゼ  脂質を分解する酵素で膵臓からしか出ない。急性膵炎のマーカー
   急性膵炎では発症24時間でピークとなり、長くても16日間続く程度です。
   アミラーゼ/リパーゼ比が3以上ではアルコール性が疑われます。
   慢性膵炎では、逆に低くなることがある。


 
トリプシン  タンパク質を分解する酵素。アルコールで活性化され、膵臓を自己消化。
   発症直後に高くなりますが、測定に時間がかかるため急性診断には不向きです。
   トリプシンは慢性膵炎にも使われ、膵臓がんの診断の補助にもなります。


 
エラスターゼ   タンパク質を分解する酵素。
   慢性膵炎でも比較的下がらず、発症後1週間は高い値が続くため経過観察に使われる。
   膵頭部がんでエラスターゼ1の上昇頻度が最も高く、マーカーとしても使われます。

急性膵炎の統計を見ると、男性では約43%がアルコール性、女性では約35%が胆石性です。
胆石が膵管と胆管の合流部にはまり込み膵臓から出る消化酵素が逆流して膵炎を起こす。
一番多いのが暴飲暴食ですが、その次に頑張りすぎ、ストレス、夜更かしさんが多いと思います。
生まれてから今までお酒を一滴も飲んだことがないという方も案外いらっしゃいます。
脂肪を分解する酵素は膵臓からしか出されないので、油モノを多く摂ると膵臓負担になります。


 
当店には膵炎の七転八倒の痛みで毎年入院している人、2年に1回は入院する重症の人も
 多く来店しますが、半分以上の人がアミラーゼやリパーゼは正常値なのです。
 検査値に出ていなくても、みぞおちの左側の痛みだけでなく背中の痛みや違和感、
 油モノで下痢、左脇腹や左肩甲骨の下に痛みを感じる場合は膵炎の疑いがあります。

私は漢方薬で慢性炎症による
線維化を食い止め、膵炎の進行を止める取り組みをしています。
痛み止めのクスリが効きにくいものでも漢方薬の方が良く効いています。日常生活は重要です。
膵炎の非代償期にならないようにしたいのです。

〇すい臓がん  CEA CA19-9 DU-PAN-2 Span-1 エラスターゼ1など
 
すい臓がんは、自覚症状が少ないため気づきにくく、発見時には進行していることが多い。
 
気になる人はトリプシンエラスターゼなどもチェックしてみては。

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