日本の自然薬

日本の自然薬

《身土不二》という考え方があります。


身土不二とは
「身体(身)と環境(土)とは一つ(不二)であり、今住んでいる土地で育ったものを食べるのが良い」
という考え方です。

自然とは面白いもので、
寒い地方や季節には陽性(身体を 温める)の作物がとれ
暑い地方や季節には陰性(身体を冷やす)の作物がとれます。

暮らす土地の季節の物(旬の物)を常食する事で
身体は環境に調和する、ということです。

住んでいる所の一里四方の物を食べて暮らせば健康でいられると言われます。
人はそれぞれが住む地の作物で伝統的な食生活をするのが自然の理にかなっているのです。

身土不二を思うとき、私たちが日常とり入れる物は
自然から生まれた食物や、古くから日本で育った伝統ある植物を選びたい。


上品薬 中品薬 下品薬について

<上品薬>
 命を養うことを主として 毒なく 久しく服しても人を害しない
 長く 多く 飲むほど良く、 身を軽くし 元気を増し
 老いを遅らせる、 長寿を保つことができる

<中品薬>
 性を養うことを主とする、 無毒のものとすこし有毒のものがある
 慢性病を治療する目的に用います(体質改善)
 正しく用いれば病を良くし、 衰えたり やせたりするものを補う

<下品薬>
 毒性は多いが 主に急性病を治療するのに用いる
 不必要に長く飲み続けると身体に害を及ぼす

◆食べ物にも上・中・下があり 生薬や漢方薬にも上・中・下がありまあす。
 (例)上品薬 … 松葉 人参 クコ 牡蠣 田七 など
    中品薬 … 当帰 - 冷えを暖め 血の流れを良くする
            漢方処方でたとえると、「小柴胡湯」 など
    下品薬 … 附子 トリカブト - りっぱな治療薬ですが使用には注意が必要

現代西洋医学には、補う作用をもつ上品薬が見あたりません。
そこで私たちは上品薬を常用し、自らの治す力(免疫力)を常に高めておきたい。
そして有事には西洋医学の長所を生かすことが最良だと考えます。

様々な悪い環境の多い現代では、健康なうちから上品薬の常用をお奨めしています。


松葉

日本の風景に欠かせない緑豊かな松は、
正月には門松として飾られ、昔は、まさかのときの非常食でした。

登山の疲れや動悸の時には、松葉をしがんでいました。

昔話の天女が降りてきたとされるのも松の木だったように思います。

昔から日本では松は愛用され、
江戸時代は、お城でたいまつとして使われ、食糧難の時には松葉を食とし、
海岸沿いでは防波、防風の為に松の木が植えられました。

そして松葉の成分や古来から愛飲されてきた理由を考えれば
日本の自然薬として、いの一番に松葉を挙げても異論はないでしょう。


松葉の価値観

一年中、緑の葉を茂らせ私達の目を楽しませてくれる松。。。
昔からその葉を食べると長寿になれるとされ、様々な活用法が伝承されています。

また松のない庭なんて考えられない、といわれるぐらい
日本庭園に欠かせないのが松の木です。

ゆったりと枝を張り、一年中緑の葉で私達の目をなごませてくれます。

また白壁がそびえるお城には、必ずみごとな松の緑が映えています。

自然を愛する日本人の美意識のあらわれとされていますが、
じつは、もっと深いわけが隠されているのです。

そういえば、風を防ぐための樹木として植林される松は、
腐食に強い建築材料として用いられていることを思い出した人もいるでしょう。


命を守ってくれる松

松には、もう一つの重要な効用があります。
それは、戦国時代の武将たちが、松葉を非常食としていたことです。

たとえば、篭城が長引いたときには、壁のワラとともに松葉を食べると、
りっぱに生きのびることが知られていたのです。

緑を楽しみ命を守るために、庭やお城に松を植える。
日本人の知恵って、本当に素晴らしいと思いませんか。

松葉は栄養満点で、私たちの健康増進に役立つ、たくさんの成分を含んでいます。

たとえば、スレオニン、バリン、ロイシン、チロジンなど、
現在確認されているだけで、24種類のアミノ酸が含まれています。

アミノ酸は、いうまでもなくタンパク質の構成成分で、
あらゆる生物にとってなくてはならない大切な栄養素です。


実在する松葉軍医

仙台の橋本敬三医師は、戦時中に軍医として働いていました。
戦後、ソ連に抑留され、日本の兵士と共にナホトカ収容所に収容されました。

収容所では野菜もない粗末な食事を摂り続けたために、
兵隊のほとんどが壊血病にかかっていました。

壊血病というのは、ビタミンC不足が原因で、歯茎からの出血、
全身衰弱、皮膚に赤い斑点ができるなどの症状を伴い、
死にいたることもある危険な病気です。

そこで橋本医師は、松葉を大釜で煮込み、できた汁を患者に飲ませたのです。
すると壊血病だった兵隊全員が回復し、多くの命が救われました。

それ以来、橋本先生は「松葉軍医」と呼ばれるようになったそうです。


松葉の有用性

「松葉中に含まれるテルペンにより血管がきれいになり、その結果、血液の流れが良くなるのです」と山ノ内慎一医学博士は語っています。

血管を柔らかくして、血管を拡げる作用もあるとされている。
また、脳の血流も良くなるので血管性痴呆症などにも良いのでしょう。

その他に、血糖降下が期待できるグリコキニン、解毒効果のあるアピエチン酸
血管強化に役立つビタミンC、鉄分も多く貧血にもよい。

このようにさまざまな成分から成り立つ松の葉ですから、
高血圧症、心筋梗塞、脳溢血など、
さまざまな病気の予防などに役立つことが想像できるでしょう。

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